親のリアクション

親にどう伝えたらいいのか考えた。
自分の口から「ゲイ」という言葉を出してしまうことが自分でも怖かったし、言われた方もショックなのではないかと思った。

悩んで結局、「付き合ってる彼氏がいる。」という言葉で伝えた。
母は驚いていた。

親に伝えたら、どんなあなたでも私の大切な子どもだよ、と受け入れてくれた話をテレビやネットでみたことがあった。
俺はほんの少し、それを期待していた。

でも母は受け入れられないようだった。
かと言って怒ったりもせずに、考え込んでしまった。
その後どんな話をしたのか、はっきりと覚えていない。
急な話で驚かせてしまったことを謝って、居心地が悪くなった実家を出た。

自分の家に帰る電車で、話したことを後悔した。
彼氏との付き合いが順調で、多分大丈夫だろうと気楽に考えていたのかもしれない。
受け入れてもらえると思いこんでいた自分を、どんだけバカなんだと怒りたい気持ちだった。

でも話してしまったことは戻らない。
結婚して実家の近くに住んでいる姉に連絡して、母の様子を気にかけてほしいと伝えた。
何があったのか姉にも話さなければと思ったけど、その気力は残ってなかったから詳細までは話さず、詳しいことは今度話すから、とだけ説明した。

付き合っている彼氏がいる、という伝え方が失敗だったのかもしれない。
最初に「自分はゲイだ」と伝えるべきだったのだろうか。
どういえばよかったのか。
少し匂わせてからにしたほうがよかったのか。

あの日のことを思い出すと、また胃が痛くなる。


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