自己満足のカミングアウト

別に絶対に親に話さなければならないわけじゃなかった。
でも彼と同棲を始めて、一緒にいるのが当たり前になって、自分は幸せだと誰かに話したくなった。
誰にも言えずにいたことを話して楽になりたいと、自分のことしか考えていなかった。

すぐに理解してもらえないかもしれないとは思っていたけれど、相手の心に負担をかけることまでは思いが至らなかった。
俺のカムアは自己満だった。

今回のことを踏まえて、ゲイであることも彼氏がいることも、もう絶対に誰にも話さない、と彼氏に話した。
彼氏は「カムアしなくてもいい。でも気が変わったらしてもいい。状況は変わっていくから、今の気持ちだけで全てを決めなくていい。もう少し楽に考えよう。」と言った。

確かに彼氏はそうやって生きてきた。
穏やかで口数の少ない人だから、自分から進んで周りの人に話すことはないけど、バレたらバレたで別に構わない、という感じらしい。

とりあえず母に「この間はごめん。元気?」とLINEした。
少し待って「元気だよ」のスタンプが返ってきた。

また機会をみて、今度は相手のことをよく考えて、どうするか決めたい。
でも今は、この先のことを全く考えられない。
ただ彼氏と一緒にいたい。


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