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観劇「AgeR」 感想

小口美雪さん出演ということで観劇。
小口さんを知ったのは、正確にはだいぶ前だけど、フォローして認識したのは、ゴブリンさんの「みぶまほ」から。そしてその後、なかなか都合が合わなかったり、このご時勢もあり観られなかったけど、今回は色々な条件が合い、観に行けることに。

サイリウムを使う舞台。
実は、そういう舞台はあまり得意ではない。どうしていいか分からない。今回も、サイリウム持ってないのが一人だったらどうしようと思いつつ行ったけど、仲間がたくさんいて良かった。

最近、ゴブリンさんの舞台は、小劇場が多かったから、それに比べると少し大きく、マチコ先生を思い出すなあと思っていたら、出演者もマチコ先生で観た人たちが。懐かしい気分になりつつ期待膨らむ。

物語は、多くのアーティストを輩出したというライブハウスの最後。そのラストライブを巡るグループの対立を軸に描かれる。
その中で、織田いちかさん演じる尾崎ユカが、出世頭のように感じる描写。でも実際のところは、グループという形態に失敗した「敗者」とも言える存在。
でも、バーでは人気があり、その実力は周囲からも認められ、人柄も良い。
そういう意味では、完璧に近い存在。物語の主役、より主役らしい主役、完璧さ、華がないといけない。
前半、どれだけユカの存在を高みにあげられるかで、後半の苦しさが引き立つかどうかが決まる。

その意味では、織田いちかさんは、とても役に合っていたと思う。
バーやその他での衣装、私服という設定では可愛らしく、落ち着いた感じでシンガーというのにふさわしい佇まい。一方で、ライブハウスシーンでの服装は、ガラッと雰囲気が変わり、まさに「華」がある存在に。二役かと思うくらいの差がある雰囲気の違い。
織田いちかさんは初めて拝見したけど、ちょっとまた観たいと思った。
そしてこの役が成功だったといえるのは、ユカは皆を惹きつける存在だということ。そういう風な演技ができるかという意味では、ここに惹きつけられた人がいるのだから、それが一つの証明だと思う。
後半の苦しむ姿が、前半の華やかさで効果的に演出し、人を惹きつける。惹きつけられて、終演後にブロマイドを購入。耳から離れなくなり、CDも購入。
そのブロマイドを購入したら、まさかの2ショット撮影券が入ってた。
後にも控えていたから、少しだけ挨拶して引き上げてしまったけど、今更ながら後悔。もっとちゃんと話しておけば良かった。撮った写真を渡して再挨拶したいところだけど、ネットにあげるわけにはいかないし、また次の機会に。
正直なところ、ゴブリンさんの小劇場系の舞台に出て欲しいと思ってる。シェイクスピア系もいいし、みぶまほで武器持たせてみたいし、グラゲキもありかな・・と。色々な系統の作品を持つゴブリンさんだからこそ、色々な魅力を引き出してくれそう。ぼく初でゴブリンさんと共演も観たいなあ。

そして今回、きっかけを作ってくれた小口美雪さん。正直、イメージにないアイドル役で驚いた。ピンク色の衣装で歌って踊って、アイドルらしいポーズをして。
元々、可愛い顔立ちとは思っていて、だからこそずいぶん前の舞台でもブロマイドを買っていたわけだけど、みぶまほでのカッコよさのイメージがあった。
演じたチヤは、目立つ存在ではないんだけど、クセがある面白さ。
ポイントポイントで顔を出してきて、観る人の心に、大きな爪痕ではないけど抜けない棘を刺していく。抜けないから、なんとなく出てくると気になってしまう。
期待感みたいなものもある。
そういう役を更に個性的にすると、稲葉麻由子さんが演じるような役に発展するのだろうけど、小口さんもその素質ありそうで、これからが楽しみ。
推しを観に行ったはずなのに、気が付いたら気になっていた。そんな存在になって生きそうな気がする。
今回、何とか2ショット撮影券を当てて、初対面を果たしたいと思っていた。ところが、ブロマイドでは外れ、ガチャは様子見をしていたらその時にやった人たちか立て続けにあたり、満を持して4回やったら出ず。終わった後、係の人が「もうあたりないですね」って言って「一個入れましょう」となり、残り4個。ガチャいいねって声も聞こえたけど、ワガママを通して4回引いて最後に出た。
いやあ・・縁が遠いのかと思った。そんなことが開演前にあったので、織田いちかさんの券が一回で出た時には、本当に驚いた。

今回、鳥居きららさんも好きだったなあ。いつも楽しませてくれるけど、今日は恋する乙女の姿と振られ振り回される役。それでいて、観る側が気になる質問を投げたりと、しっかりとした所もあって。
椎名さん演じる杏は、キレイどころで惚れられる役だったけど、サミーも凄く魅力的で、可愛らしい女の子になっていたなあと思う。応援したくなる。そんな役を魅力的に演じていて、やっばりゴブリンさんの作品には、この人がいないとって思った。江里奈さんも今回の役は特にハマっていたし、この2人がいると安心感が違う。

そういえば、嵐の19歳には驚いたけど、「お酒出しちゃったよ」ってできるのは舞台だなって思った。テレビだったらすぐにクレームが来る時代。昔のヤンキー漫画にも今出されると「未成年の喫煙は禁止されています」の注釈。だから吸うところがあるのに、ってところもあるのに。
こういうところが、割と自由にできるのが演劇のいいところ。ちょっとしたところなんだけど、少しそんなテーマも投げているのかなと感じてしまった。
ライブシーンで小堀さんがチラチラと客席を見て、自分が指名した応援リーダーを気にかけてて、いざという時はフォローしようとしているのが見えた時は、いい人だなーって思えて好感を持った。

そして何より、苦手だったライブシーンも楽しく過ごせたし、終わった後に曲が頭から離れなかった。本当は配信でも観たかった。だけどその時間帯は観られなかったから断念。悔しいなあ。
ライブ感は配信とかだと100%伝わらないかもしれない。もしかしたら、そんな想いもあってアーカイブなかったのかもしれない。でも、この作品は伝わると思う。
DVD化してくれないかなあ。そしたら絶対に買う。

しかしCDはやっぱり買ってよかった。なにしろ、ラストライブを本当にその順番で聴くことができた。劇中ではラストライブはフルでは聴けなかったので、それは嬉しい。
しばらくパワープレイをしよう。

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