マガジンのカバー画像

禅の響 - ZEN no OTO-

23
「禅の響 - ZEN no OTO -」は2020年10月から始動した年4回行われるコンサートです。 ここに、言葉と音のアーカイブを残します。 尺八の音は音楽ではない。   …
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

「禅の響 -ZEN no OTO- | 鑁字 」道理なんてクソ喰らえ!

自分を納める。 その器を自分で作る 作る手には年月がかかる。 納まるにも時間がかかる。 道理は器に納まる事でわかる。 納まりきらない矛盾と共に。  鑁字(ばんじ)という曲を吹禅するにあたり、この曲は本当にお経のようだと思いました。集中して吹くと、それはもう、どこにいるのかわからなくなるくらいでした。まさに「空」の状態です。曲を勉強するにあたり、もう芸術であるのかないのか、こだわりもなくなり、一つの壁を超えた気分になりました。より深い自然の音への習得。  そうした

「禅の響 -ZEN no OTO- | 息観 」2万7000回の呼吸

息をみて 息をみて その人をみて 自分をみて 姿をみる  人間が1日どのくらいの呼吸をしていると思いますか。だいたい2万7000回だそうです。では皆さんは2万7000回のうち、どれだけ呼吸を大切にしていますか。実際には無意識に行われていますから、とても難しいでしょう。  僕は尺八を教える時、尺八を長い時間練習するよりも、日々の生活を丁寧にした方が上手になると伝えています。それには理由があります。その前に、皆さんは何か大切にしているものはありますか。物でも人でも言葉