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詩 循環

あの時
なんとなく選んだ道が
まるで此処にたどり着くと決まっていたかのように

あの時
あきらめた希望が
いま
目の前にあらわれた

あの時
苦しさから逃れたいだけで
もし 誰かを傷つけることをやめなかったら
わたしはいまここに立っていられただろうか

あの時
誰かに託した願いが
何光年 旅をして
此処に帰ってきたのだろうか
光と影の強さに目を奪われて
ずっとそばにいた希望を見ようとしなかったのだろうか

あの時
放してしまった温もりを
いま此処で火傷しそうになるぐらい
抱きしめている