見出し画像

人生物語 -ミナペルホネンのつづく展から-

何だか、一冊の分厚い本を読んだようだった。皆川明さんの考え方、感じ方、生き方、そしてミナペルホネンの物語がたくさん詰まった本。実のある、とはこういうことかと思った。
一言にデザイン、と言えばそれで終わり。しかし、ラインを綺麗に見せるとか、服の色やそんな類のものの他に、メッセージを織り込むことができるのがデザインである。メッセージ、と書くとちょっと安っぽいだろうか。音楽で言えば、かっこよくてノれるビートよりも、歌詞の内容のようなイメージである。そこにはきっと、デザイナーの考えや感じ方そして生き様までもが形として表現される、いや、形として表現されないこともあるかもしれない。目に見えてはわからないもの、細部の裁断からテキスタイルの生産方法まで、それら全てが服を構成する。そして服は装飾品でもあるけど、日常生活必需品でもある。つまり何が言いたいかと言うと、服のデザインは生活をもデザインする、と言うことである。
皆川明さんは、服や布にメッセージを込めて、ミナペルホネンを創っている。だから、本が重いのだ。
良くも悪くも、服は感覚で選ばれることが多い。だから、服には物語があることが忘れられがちである。なんでここにボタンがついているのだろう?この糸はどこでどう作られたんだろう?なんでこの服は作られたんだろう?ただ、かっこいい、だけでは終わらないその先の、そんな深い部分を探してみるのも良いかもしれない。
私の本はきっとまだまだ絵本で、重く分厚くなるには、きっともっと深みのある絵や文章で埋めなければいけないんだろう。展示を見終わった後に、お母さんがそっと教えてくれた。あなたの名前はつづくって意味から考えたのよって。人の輪が続いて行きますように、と。そんな名前を背負って、私の本は、つづく。

ファッションウェブマガジン 作っています。よかったらのぞいてみてください。

#minaperhonen #fashion #fashionblog #ミナペルホネン #つづく展 #ファッション #服好き #ファッションブログ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?