即興詩みっつ〈あやまち〉
(2023/4/2)
耳朶が欲した孤独の代わりに
飴色をした交響曲が
雑多な人を連れてくる
地団駄を堪えた少年
堪えられなくなった老人
緊迫する分水嶺で
行くか戻るかの
オーボエの音階に
蟲惑された私は蛇だ
己の尻尾に噛み付いたら
身を迷宮に変えるだろうか
そして灰を舐めながら
直線の生を閉じるのだろう
◇
(2023/3/23)
こんな夜更けに
夜を吸い込んだ者の正体を
わたしの海図は知らないが
アルファベットと数字を並べた
あるかどうかも知れない
ブラックホールだとして
着々と乾いていく喉を
無意識へと押し込むアムリタは何だ
所望、所望──所望の穴は広がって
なぜ夜ばかり
暗さを増していくのだろう
◇
(2023/3/18)
あやまちから
見出されるもの
ばかりなのにさ
◇
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!