繰り返す花【詩】

薔薇は必ず斜めに刺さる
予測不能な恋の槍

狙う狙われる狩場の外で
嫉妬に狂う女神がふたり

己を知った美しき者
崩れた立ち去るための脚

この瞬間を凍らせるための
風と円盤の軌道分析

悲劇の編纂へんさん　偶然の賞賛
もう嫌だ　もう無理だ　と言う屍しかばねを
墓からもっとも遠い園へと運ぼう
花は図ったように散るだろう
あなたの命の身代わりに

停戦を余儀なくされる　祭の3日間
世界中が恋をしたくなって
でたらめに集めた伝承を
神殿の屋根から放り投げたら
恥ずかしがり屋も　引っ込み思案も
屍も　みな群がって
ブーケに両腕を伸ばすように──

首筋にまた棘が刺さった

ひとすじの血が
広がりました

＊

ギリシア神話にある花の伝承をコラージュした実験的な詩です。所々で韻を踏んでますので、よければ声に出して読んでみてください。

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