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lively_hebe767
即興詩ふたつ〈水〉
(2023/1/13)
水鏡に爪先ひとつで立つ人の
振り仰ぐ顔に
情欲と恥じらいとを
見透かされた
みすぼらしい者です
一瞥も一声もくれず
見捨てもしてくれなかったあなたは
残して 残さず 逝ってしまった
逆さまの空ばかり
こんなにも物足りないのに
なぜ閑けさが漲るのでしょう
◇
(2023/1/14)
雨だ
道も庇も
奏者不在の
ドラムスになる
古いラブホの一室で
リズムに没入するふたり
脳裡に安居をよぎらせた
仏教学科の大学院生
八重洲の地下路で
一杯あおる勤め人
お迎えを待つその人だけは
セッションしていた
おろしたての長靴鳴らし
黄色い傘をスティックにして
◇
#詩 #ポエム
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!