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ダイの大冒険が完走した 【日記】

昨日「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」アニメ(2020年版) がめでたく最終回を迎えた。全100回で放映された本作。咽び泣く土曜日を2年間にわたって提供し続けてくれた。

主要登場人物のひとりレオナ姫は、若干14歳にして各国の老獪首脳陣を束ねるリーダーであり、正義の使徒である。にもかかわらず「世界に迫る脅威との戦い」よりも「個人の感情」の方が大事、力を求めるのは故郷を愛しているからだと言い切る。個人ー社会ー世界に一本の棒を通すことが正義だと主張する、芯の強い女性だ。彼女に憧れを抱いてからおよそ30年。世俗の澱に塗れきってしまった僕だが、今でもやはり彼女の示す光明に希望を抱かされるのである。

一方で、徹底した悪役への憧れもある。作中では卑小な存在(ダニ)と揶揄されるものの、最小限の努力で最大限の成果を得ることに抜け目のない妖魔司教ザボエラ。勝利以外に興味はない悪道のカリスマ、炎氷将軍フレイザード。彼らの存在と死は、汚い自分の肯定とカタルシスに他ならない。

奇しくも放映期間中に自分も父親になり、ブラスやバランの立場になったわけだ。とはいえ、ダイはあまりに浮世離れし過ぎた存在なので、その養父実父に自身を重ねるのは難しい。ワガママな北の勇者ノヴァの父、バウスン将軍あたりが関の山だろう。最終話のワンシーンで、ノヴァが新たな師を見つけ鍛冶屋として研鑽を積む姿は、やはりバウスン将軍と同じような目線で微笑ましく見るのだ。

豪華すぎる声優陣に序盤の方から感情のキャパを越えていた。主役ダイの声を担当した座長・種崎さんのお仕事は「世界的偉業」だったと思う。ポップの豊永さんは「相棒役のレジェンド」として後世まで語り継がれてほしい。かねてより推していた下野紘さんはニセ勇者でろりんに化身して世界を救ってくださいました(信徒)。そして真・大魔王バーンを演じた子安武人さん。あなたが天地魔闘の構えで櫻井さん、石田さん、三木さんの三人を薙ぎ払った瞬間が、僕のアニメ人生の最高潮であり続けることだろう。

コンプラの波に押されての改変が結構あった。主にお色気シーンや、女性蔑視に捉えられかねない発言において。多少の不満はあった。(マリンの顔はちゃんと焼かれてレオナにベホマしてもらいたかった。)
でもこれらはツイッタラーさんがうまく回収して、見事なジョークに変えてくれていた。

幼少期、自分が世界で一番「ダイの大冒険」を愛している自信があった。でもさまざまなツールで世界が可視化され、蓋を開けてみたら自分は決して一番ではなかった。
僕よりもずっと作品を愛していた人たちがいて、彼らが製作に携わってくれたおかげで、30年経っても作品を愛し、憧れを抱き続けられたのだ。そして僕と同じくらい作品を愛している同士たちのおかげで、こうして完走の日を迎えることができたのだろう。

語りたいことは山ほどあるが、この辺にしておく。僕は本日も、ザボエラのごとく狡猾に、フレイザードのごとく残忍に、そしてレオナばりの希望を抱いて、一日を生き抜くのだ。


*書き殴っただけの、自分のための雑文です。失礼しました。

#日記  #アニメ #ダイの大冒険

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