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Photo by
yusaku
即興詩みっつ〈愛別離〉
(2023/2/8)
光が閉じてゆく安寧
愚鈍な手で顔を洗う
◇
(2023/2/11)
ナイトスタンドが呼ぶ
サテンのシーツが掠めていく
されども僕は
香りの記憶のみを引き連れて
光も闇もない部屋へ向かおう
そこに一握りほどの土塊を置き
夢想から覚めたときの落胆を
新たに覚悟と呼び直しては
どこにも向かわず どこからも向かわれず
何もかも等しく
ありがたがるのだろう
◇
(2023/2/12)
街に澱みがあったからこそ
愛し合ったのかもしれない
ふたつの青春の閃き
大河の煌めきに埋もれぬようにと
抗った 日々はまだ甘い
あの戸は苔むしたのだろうか
美化計画 生まれ変わる街よ
どうか折々の祈りまで
洗い流さないでくれ
澱みを刻め 街よ
◇
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!