マガジンのカバー画像

RIPPLE〔詩〕

132
運営しているクリエイター

2023年10月の記事一覧

赤と蒼 【詩】

赤と蒼 【詩】

千里を駆けた脚はどこへ

体が役目を終えたのだ

もはや草の味も分からぬ

心が役目を終えたのだ

どこまでも伸びゆく山麓の大地

二度と立つことはないだろう

毛並をすり抜けていった風の糸

二度と感じることはない

この背に乗せたのは忠義だった

人に尽くすとはおろかなことよ

誰かに尽くす人だったからこそ

ならば忠の連鎖を断ち切ろう

ああ 死を連れてきてくれたのか

そうだ わたくしが死

もっとみる