file1 roundabout yes



A:今日の名曲は、イエスのラウンドアバウトです。

B:イエスかぁ。思い切ったバンド名だねぇ。キリストの信者に怒られないんかね。

A:イエスキリストは、英語では、JESUSジーザスです。YESかNoか、のイエスよ。

B:ああ、新婚さんいらっしゃいの方か。

A:まくら?(注:番組特製のYES・NO枕のこと。YESのコンサート用グッズとして両面YESのYES/YES枕が売られていたことがあるらしい。うそ)

B:イエス!

A:で、このこわれものってアルバムだけど、まずジャケットが素敵よね。

B:うむ。なんかクリスチャンラッセンみたいだねぇ。キラキラしてる。(注:よく地方のデパートの上の方の階で展覧会みたいなことをやっていた。ハワイ在住のサーファーアーティストで、通っていた小学校の名前は「カメカメハⅢ小学校」)

A:このアルバムからジャケットのアート担当が、ロジャーディーンになったのよね。SFっぽい感じが70年代っぽいんだけど、リックウェイクマンのシンセの世界と合っているわ。

B:リックといえば、肉食だったから、バンドのメンバーと喧嘩して一時バンドをやめちゃったんだよね。(注:リックは肉食主義の酒豪らしい)

A:他のメンバーはみんな菜食主義だったって話ね。酒も飲まないとかって。

B:肉、うまいけどね。焼肉にビール。バンドマンって言ったら酒飲みまくるって感じだけどなぁ。

A:そこがイエスのプログレ的な美しさでもあるのよ。こうクラシック的な素養があって、みんな楽器がうまくって、ローリングストーンズとかとは明らかに違う感じがするでしょ。

B:なんかヨーロッパの中世貴族っぽいんだよね。そういえばイエスってメンバーがころころ変わっているよね。なんかFA権みたいなのがあるんかな。10曲書いたら自由に移籍できるとか。でもドラムだったらかわいそうだな。じゃあ、バスドラ1万回で、とか。

A:そんなわけないでしょ。

B:ないよね。

A:で、このroundaboutの魅力なんだけど、なんといってもこのドラマチックな構成よ。

B:うん。おれ、この曲何回聞いても、次どうなるのかわくわくしちゃうもん。

A:そうそう。普通の曲だったら、ああ、次にBメロがきてギターソロが来て、ってだいたいわかっちゃうんだけど。

B:うん。っていうかおれ、次がどう来るのか忘れちゃうんだよね。なんか、途中であっちいったりこっちいったりするじゃん。

A:そしてそのパーツのどれもがかっこいい!たとえばこのリズムが消えてジョンのボーカルが天使の歌声で湖の美しさを歌って、次にオルガンがワイルドに突っ込んでくるところなんか最高よ。(注:5分50秒頃に突っ込んできます)

B:おお、これはかっこいい。やるな、リック。アストリーにはできんな。(注:リックアストリー 80年代に三ツ矢サイダーのCMにも出ていた。)うん。いや、しかしこんなかっこいいパートってあったっけ?

A:っていうかあんた、ただ記憶力がないだけよね。

B:でも、ジョンのボーカルって天使の声とかって言われるけど、俺はアートガーファンクルの方が天使だと思うな。(注:サイモン&ガーファンクルのサイモンじゃない方。全世界で2500万枚を売り上げたアルバム「明日に架ける橋」の二人が映ったジャケットは、音楽家は見た目じゃないことを教えてくれる。)

A:あれはロックじゃない。

B:でも、髪型とかさ、あの声とか・・・。ま、おれがYESだったらボーカルはジェームスブラウンだけどな。

A:ゲロッパ?なぜに?

B:だって、Jon AndersonってイニシャルJAだよ。農協じゃん。JBの方がいいよ。そしたRoundaboutも、もっとファンキーな感じで黒人にも人気出たかもよ。なんかYESのライブって観客は高学歴のインテリ眼鏡白人ばっかりってイメージだから。

A:それであなたはYESをあまり聴かないのね。

B:いや、おれは聴くよ。

A:でも、とにかくJ.B.はYESには絶対入らない。

B:だめかな?

A:ダメ!!

B:うーん。まあ、J.B.もう死んじゃったもんな。

A:一時、ジョンも辞めてボーカルがトレバーホーンに変わったことはあるけど、やっぱりYESといえばジョンよ。

B:KATSUMIはどうかな?

A:は?

B:昔、YESへのリスペクトを歌っていたぜ。

A:・・・・

B:ジョンならさ、レノンの方がいいな。で、思い切ってベースはリッケンバッカーつながりで、ポールマッカートニーにしちゃって。

A:ふーん。じゃ、ギターにジョージでも入れるの?

B:YES!ありだね!

A:で、ドラムはリンゴ?

B:うん。あ、いや、それはNOかな。YESはスーパーグループだからね。

A:ま、ともかく。こういうAメロ、Bメロって感じの構成じゃない曲って、ビートルズの A day in the lifeとか、ああいうのからきてるのかな。ポップスのそれまでの曲の構成とは明らかに違ってるよね。

B:Happiness is a warm gunとかもそうだぜ。曲にならない3つのパーツを適当にくっつけたって感じだけど。

A:こういうクラシックに通じるような構成で美しくまとめたっていえばビーチボーイズのGood vibrationかな。

B:ああ、アノ曲は確かにコロコロ変わるね。

A:でも、一つの曲としてまとまっているでしょ。

B:そうだね。あと、ボヘミアンラプソディは?ママーから、ビスミッラーノー、とかすげえよ。

A:あれが75年だから、ヨーロッパっぽさもあるしイギリスだし、影響受けていたのかもね。楽器が伴奏としてだけじゃなくて、ボーカルと同じぐらい重要でしょ。

B:そうか、おれ、わかった!

A:何?

B:こういう曲の感じがプログレなのか!

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