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レニィさんと雪の日

明日は雪の予報と聞いて、
お犬様の事を思い出してしまい泣いている。

年の初めの頃に、結局お犬様は
虹の橋のふもとへ逝ってしまった。
12歳まであと数週間だった。

あの雪の日は、
近所の動物病院へ通院した日だった。

腎臓の値も心臓も悪くなっている。
大学病院で診てもらうならすぐに
予約した方がいい。

そう言われて、すぐに予約して、
明日また大きい病院だよ。良くなろうね。
と言って、リュックになっているキャリーへ
入れて家に帰った時は、雪が降っていた。

すごく寒い日だったのに、お犬様は
熱も出ていたから少し熱い身体で、
起き上がるのもおっくうそうで、
横たわってばかり。

夜、ケージへハウスをなかなかしてくれなくて、
あれ?
と思ったら、お犬様の身体から力が抜けて、
倒れ込んでた。

今思えば、
あの時が限界だったのかもしれない。

そんな事思いたくもなくて、
次の日には予約が取れているから、
大学病院へ行けば大丈夫なはずだ。
治るはずだと、
必死に呼びかけて、
身体を起こしてくれたから、
水だって飲んでいるし、
おしっこだってしてる。
うんちも出てる。
お腹のことは治ったんだと、
腎臓の治療と心臓病と
付き合えばいいんだと思った。

次の日は晴れて、前日に降った雪が凍って、
路面凍結が怖かった。
雪山用のブーツを履いて、キャリーを背負って、大学病院へ行って、
入院するかしないかを問われた。

一人で決められなくて、母と相談して、
それでもきっと良くなると思ったから、
わたしはあの子から手を離したんだ。

入院した日は金曜日で、
土日休みだから面会に行ったら迷惑かと思った。

その日の朝、輸血をしてもいいかと、問われて、
それを良しとしたのはわたしだった。
貧血が酷いからと、
大学病院なら大丈夫だと思った。
それからお昼に呼び出されて、

先生たちのご厚意で、家族3人で看取った。

いっぱい後悔している点がありすぎて、
どれもこれもが、
わたしのせいなんじゃないかと思ってしまう。

ふとした瞬間に、
ふとしたキーワードで引っかかって、
パンと弾ける。

ペットロス、の一つなんだろうか。
とりあえず、いまだキツい。

お犬様が亡くなってから、
虹の橋についてきちんと調べた。
きっとうちのお犬様は、
虹の橋のふもとで待ってはいられない。
だから、自己満足で
人間に転生した小説を書いたりしてる。

そろそろ赤ちゃん期を抜けそう。

愛するパートナー。
キミのいない生活は寂しい。
もっとこうしていれば、長生きしたのかな?
わたしがキミを手放さなければ、
キミはまだ隣にいたのかな?
時々そうやって泣いてしまう事を
許してほしい。
あまりに心配なら、
近くの物を落としてくれればいい。
夢に出てきてくれてもいい。
少なくともわたしは、
キミと生きた11年を、人生の1/3の分母を
どんどん増やしてからキミに会う。
キミと出会えた事に後悔はない。
こんな家族と、わたしのそばにいてくれて
ありがとう。

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