ひさびざに森岡賢さん
SOFT BALLETのファンと名乗る資格はないのですが
PMSで体調を崩して軽うつも出ているので、自宅待機日に乗じて一日自宅で寝転がっていた。そんなときの心の支えはYoutubeに大量投下されている90年代ロックバンドの動画である。私の高校時代はhideとX JAPANとLUNA SEAで成り立っていた。懐かしくてかなわん。
そして、高校生活バイト代もわずかなもの、Youtubeどころかインターネットもない時代なので、3,000円程度のCD(円盤)か3,000円〜5,000円超のライブチケットを入手しないと、あとはケーブルテレビ(ex.神奈川テレビ)を引くしか彼らの曲を聴く手段がない。で、何かひとつ本命のミュージシャンができちゃうと、チケットを確実入手するためにファンクラブに入り、CDを買い、PVの収められたコンセプトビデオを買ったら後は年末のドームチケットのために温存ですよ。それで目一杯。他のバンド聞きに行くお金の余裕がない。
なので、結局特定のバンドにしか触れられませんでした。私は音楽雑誌をがっつり買う派だったので(当時は『音楽と人』を創刊した市川哲史のインタビューがたいへん面白く、市川インタビューを追いまくっていた)、同時代のバンドの顔ぶれだけは知っていた。
だから、SOFT BALLETも存じ上げておりました。私がこの世界にハマったのは、忘れもしない1994、hideがソロ活動を始めた年でありますから、LSB(LUNA SEA+SOFT BALLET+BUCT-TICKの3バンド合同の夏イベント)の実施と同じ年。hideはとても顔の広いバンドマンで、LSBにも言及があったか縁があったか、何かそのような記述があったと思った。で、私はSFT BALLETを知っていたわけである。
芋高校生にソフバの洗練の理解は無理
聴いておけば良かったー……。hideはいいとして、X JAPANもまあいいとして、次に進むのはSOFT BALLETにすべしでしたよ。リアルタイムで観たかった。
当時の私には、ソフバの、いえ、はっきりと申し上げましょう。森岡賢の美しさや表現しようとしているものは、わからなかった。あの人達は奇抜、というか奇人だと思っていた。奇人ではない。あれは美をしっかり意識している。どこがどう、と説明が至らないのが情けないが。
後年Youtubeに音源が色々出るようになってようやくソフバを観て、衝撃を受けました。確かに森岡賢の通称「くねくねダンス」は不思議だ。しかし何かのインタビューで森岡賢自身がコメントしていたように、「混沌の調和」と言われるとひじょうによく分かる。あれは奇妙な、受け入れがたいものが、なぜか大変美しく目が離せなくなるという体験そのものだった。勅使川原三郎の舞台を少しかじった後に、なんとなくわかった。混沌としたものが形を整えて美の調和に向かっていく事を予感させる身の動きは存在する。
あとほんの少し腕が上にあがったら、ポーズの均整は取れて美しくなるのが素人目にも想像がつく。しかしそこまで腕を上げずに次の動きに入ってしまう。
森岡賢の場合は、奇妙なポーズをそうではないものに仕上げようとしている感じがする。奇妙な動きであるにもかかわらず、観たい、もっと観ていたいと思わせる踊りなのだ。
また、ステージ以外での森岡賢の一挙手一投足の仕草もあまりに美しかった。どんなダンスを練習するとああいう身動きが出来るのだろう。
羨ましい、高校生時代にこの美しさがわかる人生。私には無理だった。とくに雑誌の静止画では。
森岡賢の動画が観れる幸せ
ソフバ終了後の活動ですね。いやいや何年立っても素晴らしいセンス。
森岡賢は出てこないけど、私はソフバの有名曲の中なら『FINAL』が好きだな。
Youtube様様でござる。また時間のあるときに森岡賢の作品を観たい。
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