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フランス万歳

 調理学校の入学式の取材に行き、夕方は別件の校正やりとり。久々にライターらしき日々を送る。
 オースティンを読み終えたら少し筋力が付いたのか、ユルスナールの『源氏の君の最後の恋』が楽しく読めたので勢いづく。そうこうしている内に、夫から文学イベントの告知を聞き、そっちの予習も。で、週末は王朝文学講座だったり。
 『東方綺譚』は新書版で買ったのだけど、ブックカバー失くしてしまった。カバーなしで本が痛むのは嫌なので、文庫サイズの薄い本を探す。厚い本は重くて文庫といえど持ち歩いてると肩が死ぬので家で読む事に。で、大して薄くもないけど厚くもないゾラの短編集にした。ゾラは初めてなのに、代表作の『ナナ』『居酒屋』より先に『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集』 (光文社古典新訳文庫)を手に入れたのでこれを読む。表題作は頭木弘樹さんのアンソロジー集『絶望図書館』にありそうなにおいを感じ取ってすぐに惚れる。ゾラは好みのようだ。冴えない人間が疎外感に悲しむお話はすぐ好きになる。
 しかし一日働いて帰宅する頃、帰りの電車でゾラの続きを開いたら全く頭に入って来なくなった。燃料が切れたのか。早過ぎる。不甲斐なさを噛み締めて帰る。

 しかしこの不甲斐なさが悔しく、頭に喝を入れてもう一度読書に挑む。『東方綺譚』から「老絵師の行方」。これまたモチーフである絵画のごとく美しき幻想小説だった。
 すごいなフランス文学。昨日オースティンがらみで「オースティンはスタンダールを超えている」説を読んでフランス頑張れと思っていたとこだったので、英仏戦は見事一勝一敗のイーブンと化したよ私的に。いや、ゾラやユルスナールがなんと評されているのか知らんけど。イギリス文学ではウォーとワイルドが好きです。

 ところでうちの夫は結構なおたくで読書好きでもあるんだが、ゾラもユルスナールも読んでないらしい。なんでだ……。オースティンも読んでないらしいし。実はあまり趣味が合わない説。

 夕ご飯は軽く済ませる。食事を全体的に軽く済ませたい。ここのところ止まらなくてほんとやばい。

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