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ひねもす

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#カント入門

テキストは批判的に読んでよい(そしておかしな批判には反証が付き物)

テキストは批判的に読んでよい(そしておかしな批判には反証が付き物)

 読書会課題論文のカント『啓蒙とは何か』、入門書と並行して繰り返し読む内におおよそ書いてあることの概要が掴めて来た。
 次の課題は「テキストを批判的に読む」つまり「批判的に読んで自分なりに批判的意見を出してみる」。
 ひじょうに取り組み甲斐のある面白い作業だ。だってカントだよ。ヘーゲルという、私はよく知らないけど「世界を説明した」と哲学の先生に解説される大物哲学者の成立させたドイツ観念論という大き

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わかったときは自明だと思うもので

わかったときは自明だと思うもので

 もうすぐイマニュエル・カントの短い論文『啓蒙とは何か』の読書会がある。
 なのでせっせと読解に励んでいるのだけども、「カントが普通の言葉で語りだした」「読みやすくなった!」と帯に宣伝される古典新訳文庫でも、読めるからわかるわけではないのだなと思い知らせてくれるのだった……。

 この論文は冒頭に「未成年」という言葉が出てくる。啓蒙と関連のありそうな言葉だというのは察しが付くだろう。そしてこれは前

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