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1100万人の担い手不足!?

2040年までに約1100万人の担い手不足が生じる

近年、日本の人口が減少傾向にあり、その影響は様々な分野に及んでいます。特に、高齢化が進む中、労働力不足が深刻な問題となっています。この問題は、2040年までに約1100万人の担い手不足が生じるという予測がされており、都道府県によって不足率が高くなることが予測されています。

まず、この予測について詳しく説明します。現在、日本の人口は約1億2600万人であり、そのうち65歳以上の高齢者は約3,900万人にもなります。さらに、出生率の低下や長寿化の進展などにより、高齢者の割合は今後も増加することが予想されています。このような状況下で、労働力不足が生じることは避けられません。

では、具体的にどのような影響が生じるのでしょうか。まず、製造業やサービス業などの労働力不足が深刻化し、企業の業績に悪影響を与える可能性があります。また、医療・介護分野では、高齢者の増加に伴い、医師や看護師、介護士の不足が生じ、医療・介護サービスの質が低下する可能性があります。さらに、地方自治体では、公共事業や地域振興事業の実施が困難になる可能性があります。

そこで、都道府県別に担い手不足の予測を見てみましょう。総務省の人口動態統計によると、2040年における人口減少率が高い都道府県は、以下の通りです。

  1. 沖縄県:-31.6%

  2. 鹿児島県:-27.8%

  3. 宮崎県:-27.7%

  4. 山形県:-26.9%

  5. 福井県:-26.4%

これらの都道府県では、高齢化が進行することにより、担い手不足が深刻化することが予測されています。そのため、これらの地域では、医療・介護分野をはじめとする様々な分野での人材確保が喫緊の課題となります。

ただし、全国的に見ると、都市部や大都市圏では人口が減少する傾向にはありますが、地方都市や農村地域ではまだまだ人口が多く、人材確保の可能性もあります。そのため、これらの地域においては、地域活性化策の推進や若者の定住促進などが求められています。

また、外国人労働者の受け入れ拡大や女性やシニア層など、多様な人材の活用も必要とされています。特に、外国人労働者の受け入れ拡大については、社会全体での受け入れや生活支援の体制整備が必要であり、課題が残されています。

さらに、テクノロジーの進化によって、働き方が変化することも予想されます。例えば、ロボット技術や人工知能の発展により、人手不足が深刻な分野において、自動化が進むことが期待されます。ただし、これによって生じる問題や課題もあるため、社会的な議論が必要とされます。

以上のように、日本においては労働力不足が深刻な問題となっています。今後は、地域や産業別の人材確保策の充実や多様な人材の活用、テクノロジーの活用などが求められています。また、今後も人口減少や高齢化が進む中、社会全体での対策が求められています。

各都道府県でも担い手不足が深刻な状況

先述したように、2040年までに日本全体での労働力人口は大幅に減少する見込みであり、各都道府県でも担い手不足が深刻な状況となることが予測されています。

ここで、都道府県別の担い手不足予測率について見てみましょう。総務省が公表した「平成29年基準 地域別人口将来推計(速報値)」によると、2040年における担い手不足率が高い都道府県は以下の通りです。

  1. 長崎県  不足率:33.7%

  2. 愛媛県  不足率:33.5%

  3. 福岡県  不足率:32.5%

  4. 鳥取県  不足率:32.1%

  5. 佐賀県  不足率:31.6%

  6. 大分県  不足率:31.5%

  7. 島根県  不足率:30.7%

  8. 和歌山県 不足率:30.4%

  9. 徳島県  不足率:30.2%

  10. 山口県  不足率:30.1%

これらの都道府県では、農業や水産業、介護福祉業などの分野で特に担い手不足が深刻となる見込みです。また、これらの地域においては、若者の流出が進んでいるため、地域活性化や若者の定住促進策が求められます。

一方で、担い手不足率が低い都道府県には、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県などの首都圏や、大阪府、兵庫県、京都府などの都市部が含まれています。これらの地域では、製造業やサービス業などでの人材確保が課題となることが予測されます。

地域活性化や若者の定住促進策

担い手不足が深刻となる都道府県では、地域活性化や若者の定住促進策が求められます。具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

  1. 地域づくりの推進 地域住民の協力による、地域の魅力を引き出すための取り組みが必要です。例えば、観光資源の活用や地元特産品のPRなどが挙げられます。

  2. 若者の定住促進 若者が定住しやすい環境の整備が必要です。具体的には、住宅供給の増加や、教育環境の整備などが挙げられます。

  3. 地域の産業振興 地域にあった産業の育成や、新しい産業の誘致が必要です。例えば、農業や水産業の振興、地場産業の発掘、地域特産品の開発などが挙げられます。

  4. 人材確保のための制度整備 介護福祉業や医療業など、特に担い手不足が深刻な分野において、人材確保のための制度整備が必要です。例えば、労働環境の改善や賃金の引き上げ、教育訓練制度の充実などが挙げられます。

以上のような取り組みが必要ですが、それぞれの都道府県によって状況は異なります。地域に合った対策を講じることが、担い手不足の解決につながるでしょう。

また、これらの取り組みを実現するためには、地域住民や関係者との協力が欠かせません。自治体や地域団体が主体となって、地域住民や企業と連携し、共同で取り組むことが必要です。

さらに、若者の参画も重要な要素となります。若者のアイデアや発想力を活かし、地域の魅力を引き出すことができれば、地域の活性化につながるでしょう。

また、技術の進歩を活用することも必要です。例えば、遠隔地医療や介護ロボットなど、技術の発展によって、介護福祉業や医療業などの分野でも新たな解決策が生まれています。地域の特性に合わせた技術の活用や、新しい技術の開発も、地域活性化のために重要な役割を果たすでしょう。

担い手不足が深刻な問題となっている現在、地域住民や関係者が協力して、地域の魅力を引き出し、若者の定住を促進し、産業振興や人材確保のための制度整備を行うことが、解決策の一つとなります。

担い手不足は、地域によって状況が異なりますが、今後ますます深刻化していくことが予想されます。地域住民や関係者が協力し、地域の課題に取り組むことが、担い手不足の解決につながるでしょう。

また、担い手不足を解消するためには、若者の参画が欠かせません。若者にとって魅力的な地域づくりを進め、若者が定住しやすい環境を整備することが必要です。若者が地域の魅力を感じ、自分の人生設計に合った働き方を選ぶことができるよう、地域の未来を見据えた取り組みが求められます。

担い手不足の問題は、地域の活性化とともに、介護福祉業や医療業などの社会インフラにも大きな影響を与えるため、国や自治体、企業、地域住民など、様々なステークホルダーが協力して解決策を模索することが求められます。今後、担い手不足を解消し、地域が持続可能な発展を遂げるために、様々なアイデアや取り組みが模索されていくことでしょう。


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