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東京都現代美術館に行った日

先日、東京都現代美術館に行き、常設展1つと、企画展2つを見てきました。

私たちの一番のお目当はオラファー・エリアソンによる「ときに川は橋となる」という企画展。

今回の展覧会で彼は、作品の輸送で飛行機を使わずに二酸化炭素排出量を削減したり、上のようなソーラーエネルギーの利用など、さまざまな面で環境に配慮している。
住まう より

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【以下自分のメモ用】
オラファー・エリアソン(1967年生まれ)
・アートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきた。
・本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成。
・「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります。私たちはこれまでずっと、過去に基づいて現在を構築してきました。私たちは今、未来が求めるものにしたがって現在を形づくらなければなりません。伝統的な進歩史観を考え直すためのきっかけになること、それがこうした視点のシフトの可能性なのです。」
・私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映された彼のインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象を用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながします。
東京現代美術館サイトより

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太陽の中心への探査(2017)

美術館の中庭に設置されたソーラーパネルが作りだした電力で中心のオブジェが動き、美しい色の光の模様が部屋を変化させていく。太陽エネルギーという見えないものを可視化し、私たちに実感させる。
住まう より

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あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること(2020)

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サステナビリティの研究室

右奥にある分厚い灰色の編み物の解説書で、男性がヨガみたいにバランスを取っていたのですが、友人がどうやって洗うんだろうって言ってました笑 確かに、どうやって洗うんだ?クリーニング?笑

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すごく好みな絵と字。丸々しててふわふわしてる。

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これはソーラー発電で光るライトみたいです。かわいいですよね。何の為の物体なのか、一目で感覚的に分かるのもいいですよね。

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テーブル上のものではこれが一番好きでした。この角の無い曲線が、心を穏やかにさせてくれる気がするんですよね。おへそにも見えますね笑

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野菜や食べ物を顔料にしてどのような発色になるかの展示。
ちなみに、赤玉ねぎは赤くなると思うじゃないですか?実は手前から二列目の一番右の紙が赤玉ねぎの色素なんです。黄色やん、って。見かけに騙されてました。

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最初は何かの鉱物だと思っていたのですが、どうやらゴミをギュウウッと固めたものみたいです。確かにそう言われると鉱物より艶は少ない気がしてきます。それでもずっと見てられる複雑性はあって、面白かったです。

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人間を超えたレゾネーター(2019)

これは、光が周りのガラスに反射して壁に投影されてるんですが、光自体はピンクでも青でもない、普通の光なんです。それなのにこんなに様々な色が投影されるなんて、不思議です。

複数の青い同心円環が広がっています。この作品は、絵具などで彩色したのではなく、壁に投じられた光が描き出した、言わば〈光の絵画〉です。横から見ると、壁から伸びる金具に2つの小さなLEDライトとガラスのリングが取り付けられていることがわかります。暗い海を明るく遠くまで照らす灯台のレンズの仕組みを応用し、ガラスのリングが灯台のレンズと同じような働きをすることで、小さな光でもその何倍も大きく、色鮮やかなイメージをつくり出せるのです。
東京都歴史文化財団より

なるほど。おもしろ!!!
この展示会、タイトルしか書かれていなくて、どういう原理でこうなっていて、作者は何を伝えたかったのかが書かれていないんです。だから帰宅して調べて「なるほどね」ってなるんです。
でもこれって現代美術家としての挑戦でもあるのかな、なんて勝手に思っています。というのも、主流な美術品の見方って、横の解説を読んで、「ほ〜」って言って、それ通りにその作品を見ようとする方法だと思います。でも、事前情報無しでそれを見て、自分が何を感じるのかっていうのを見極めることも大切だと思います。そして、後から解説を読んで、「やっぱりね」って思ったり「まじか!」って驚いたりする過程も含め、作品を通した経験じゃないかと、私は個人的に思います。

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おそれてる?(2014)

部屋の中央に色付きパネルが宙ぶらりんに設置してあり、部屋の最後部から光が投影されています。それと同時に、部屋の壁を360度くるくる回る光もあります。だからきっと全く同じ色と柄の投影になることは無いのかと思います。

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溶ける氷河のシリーズ  1999/2019(2019)

オラファー・エリアソンが感じている環境への危機感を表すわかりやすい作品がこの《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》だろう。彼は、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたって撮影してきた。この写真群は、1999年と2019年という20年の時間を隔てた2枚ずつの定点写真を並べているが、地球のライフタイムからすればほんの一瞬ともいえるたった20年で氷河が驚くほど後退していることに私たちは気づく。
住まう より

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ときに川は橋となる(2020)

下部の白い円形のものが重なり合った下には水が溜まっていて、さらにその下から上に向けて光を投影しているんだと思います。時たま水が波を立てて揺れて、そうすると壁に映し出された光が、水の波紋のようにユラユラ揺れるというものでした。
友人は、「下の円形のものが野菜のカブを薄切りにした"かぶら"にしか見えない。かぶら食べたくなってきた」って言ってました笑

まずは、展覧会のタイトルと同名の作品を紹介したい。《ときに川は橋となる》とは謎解きのような言葉だが、彼によれば、まだ目に見えない物事や明確な形になっていないものが、視点を根本的にシフトすることによって見えるようになる、ということを表しているという。
「地球環境の急激な変化に直面している私たちは、いま生きるためのさまざまな仕組みやシステムをデザインし直し、未来を再設計しなければなりません。そのためにはあらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります」とはエリアソンの言葉だ。
川を見るとき、私たちはついその外側にある橋を見て、水の流れという現実、そこにある命、時間の流れを見失う。上の写真にある展示室では、中心のプールに投影された12の光が反射して月のように上空に浮かぶ。そのゆらぎによって私たちは「時間を見る」という得がたい体験をするのだが、同時に自分が見ているものは水面そのものではなく、実態の一部分に過ぎないことを知ることにもなる。
住まうより

「自分が見ているものは実態の一部分に過ぎない。」すごい哲学的。でも確かに、今後さらに環境問題に注力していかなければならない世の中では、これまでの論理的な見方では限界が来るから、全く新しい視点を取り入れなければいけないということなんですよね。じゃないと、世の中の経済を回しながらサステイナブルな社会を作ることは難しい、と。
私はイノベーティブな発想をするのが得意ではないので、ここをどうにか磨いていきたいなと思いました。

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