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煌めきは痛みと共にやってくる

「煌めきは痛みと共にやってくる 小さな七色肌に纏わる」

 なんて可愛いんだろう、と、画像を見た瞬間に思った。
 これは、腕の内側、手首よりも少し肘よりのあたりに入ったタトゥだ。細いライン、キラキラした色、砂時計モチーフが可愛くて、思わず画像保存した。

 私の耳には、ピアスホールが10個あいてる。
 昨日まで9個で、その少し前にはやっぱり10個だった。夏頃に、洗った髪を櫛でといてたらピアスを引っ掛けてしまって、それが16Gのボディピアスだったため、引っ張ったひょうしにぶちっとキャッチ部分のボールが穴を突き抜けてしまったから、一度塞いだのだ。
 そこを、今日、ピアッサーで開けなおした。
 夕方にばちんとやったから、今は少しだけじんじんしている。でももうこの痛みには慣れっこで、すぐに消えることも知ってる。軟骨はものすごい痛いって聞いてるから、開ける気はあまりない。(本当は、トラガスにキラッと一粒あったら可愛いかしらと思っているけど)
 今は髪が少し長いから普段はまとめていることが多くて、そうするとまあいろいろと言われる。
 どうしてそんなに開けてるの、から始まって、親からもらった身体に穴を開けるなんて、という古臭いものまで、まあいろいろと。
 うるさいなぁ、と思う。
 どうしてたくさん開けてるかって、キラキラしたものがたくさんくっついてたら嬉しいし綺麗だと思うからに決まってる。
 それに、親に「もらった」身体じゃない。私の身体を私がどうしようと、私の勝手だ。痛みを感じるのだって私、血を流すのだって私、キラキラして綺麗だなって嬉しく思うのだって私。
 私の身体だ。

 家から自分で車で行ける範囲にタトゥスタジオを見つけられたら、小さいのを彫ってもらおうと思ってる。
 手首あたりがいい。
 モチーフは砂時計もしくは懐中時計がいい。時間をあらわすモチーフは素敵だ。
 美しい意匠を細い線で入れてもらって、綺麗なグラデーションで色を入れてもらいたい。
 痛みなんていくらでも我慢する。
 私は私を飾りたい。
 ごてごてに飾り尽くして、私を誤魔化したい。

 主治医の先生は、私がピアスホールを増やすたびに渋い顔をする。
 これは、リストカットもODもしたことがない私の、唯一の自傷行為だと言う。
 こんなにキラキラした自傷行為なら構わないわ、と思う。
 だって私の耳には今、トカゲさんもくっついてるし、人魚の鱗みたいな青色のキラキラしたピアスもくっついてる。
 メインのホール以外はときどき変えるだけで、基本的には小さめでキラキラっとしたボディピアスを着けているのだ。

 黒髪にはお気に入りのヘアピンをつけて、カラコンで目の色を変えて、唇は赤くして、ちょっと凝ったデザインの服を着て、耳をキラキラさせて。

 そうやって自分を守るの。
 これは、防衛のための鎧。
 私が私を飾るのは、自傷というより自己防衛のためだ。

 …と、私は思っているのだけど。

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