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【読書記録】輝ける子

本の情報

輝ける子~100メートルを10秒で走れと言われてもさ、いくら努力しても走れない奴っているじゃん~
明橋大二著 1万年堂出版
2002年出版

表紙

読んだきっかけ

自分自身の自己肯定感の低さが気になっていて、自己評価の低い子どもについて書かれた本だったので気になって図書館で借りました。

要約

近年、不登校や少年犯罪など子どもをめぐる問題が多く取り上げられるようになった。こういった問題の原因の根幹は、自己評価の極端な低さにあると筆者は考えており、具体的な事例を用いて、子どもの行動とその裏側にある真因について説明している。
また、どのような声掛けをすればよいのか、親視点でも教師視点でも書かれており、子どもに関わるすべての人に刺さる本だろう。
※出版から20年以上たっているため、具体例は古かったりするが、本質的な「自己肯定感の低さ」問題は今の時代でも変わっていない、むしろ加速していると思うので、読む価値はあるだろう。

感想

この本の本題でもある、下記の言葉が印象的でした。

自分は生きている意味がある、存在価値がある、必要とされているという感覚を自己評価といい、これが大切

この「自己評価」について筆者は二段階あると考えており、
「ほめて育てる」ことは、自己評価が極端に低い子には逆効果である
、と著者は記しています。
自己評価の二段階のうち、一段階目は存在に対する安心二段階目が能力に対する自信と書かれています。一段階目は、すなわち「じぶんはここにいていいんだ、ありのままで存在価値があるんだ。自分はいらない人間なんかじゃないんだ」という感覚とのことです。

あ―、自分も一段階目が十分育まれていないから、せっかく褒めてもらえてもどうせお世辞でしょと思ったり、逆にこれができないと存在価値がないんだと思ってしまったりして、人からの褒めの言葉を素直に受け取れないんだ、と思いました。

ではなぜ、存在への安心感が欠けてしまうのか、筆者は
親子関係:親からの否定(虐待など)、親子関係が希薄、親の過干渉
学校:いじめ、先生からの否定、学校という場所(みんな当たり前にでいていることを強要される)
今という時代:今の大人を見ても未来に期待ができない
を挙げています。
私自身には①の親の過干渉と、③があてはまる気がします。
過保護の説明のところで、下記の説明が非常に刺さりました。

過保護とは、決して子どもを「保護」しているのではなく、保護という名で支配しているのです。
そうして育った子は、一見プライドが高そうに見えますが、本当はとても自信のない子が多いです。

自分を説明されているかのような文章です。しかし、希薄もダメ、過干渉もだめ、難しいですよね…。親って大変だ。



また、そのほかにも、自分が学生の時に好きだった「こげぱん」や浜崎あゆみの歌詞が出てきて、おおー!となりました。
こげぱんの例だけここでは紹介します。
こげぱんは、パンとしてのエリートだったはずが焦げてしまい売り物にならなくなり、「どうせ捨てるんでしょ?」が口癖の自己評価が低いキャラで、パンとしては価値を失ったが、キャラクターグッズになることで別の価値を見出し、人気を博したことで、新たな人生を歩みだすことができた
と紹介されています。
昔はなんとなくただ好きだっただけですが、あらためて振り返ると、自己肯定感が低い部分が共感できたから好きになったんだろうなと思いました

大人になっても自己評価が低い人はどうすればいいのかは書かれてなかったので、そこは自分で引き続き考えたり他の本を読んでいきたいと思います💦


最後に

子どもの頃の大人との出会い・大人からの声掛けは子どもの一生に関わってくると思うので、私も子どもに接する際はとくに(もちろん大人に接する際も)この本に書かれていたようなマインド・声掛けを意識して、相手の自己肯定感を挙げられるような接し方ができるようにしていきたいです!

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