マスクは効果があった?米国の学校での比較研究
どうもこんにちは。
マスクオタクです。
今回は統計分析によるマスクの効果について、アメリカの研究を取り上げます。
ちなみにこの論文はあまり話題になってないっぽいですが、注目されるポイントはあると思っています。以下の感じ。
抗N抗体による比較なので信憑性が高い。
ユニバーサルマスキングの評価となる。
個人的にはこれまでにユニバーサルマスキングの論拠として強そうなのを見たことがありません。なので今回のやつは期待したんですが気になる部分はありました。
論文引用後に所感を記します。
◆論文引用
論文から一部引用します。あとで簡単にまとめてますのでお時間の無い方は飛ばしてもOKです。以下リンク。
https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.00691-24
◆まとめと所感
内容をシンプルにまとめると『マスク着用義務あり/なしの地域で子どもの抗N抗体を比較した。義務ありのほうが陽性の割合は低い』って感じ。マスクの効果がありそうな結果。
わかりやすいのが以下。時期をわけた2回で抗N抗体を比較しています。
(青:マスク義務あり 赤:なし)
2回ともマスク義務あり(青)のほうが陽性率は低い。
マスク着用の順守率は不明ですが地域はともかく学校内では高そう。怒られるだろうし。
なお、子どもの雑なマスク運用や高い漏れ率を考えると自らを守れてる割合は非常に低いでしょうから、これが本当であればユニバーサルマスキング(他者へのリスクを減らす)の効果でしょう。抗N抗体なので信憑性は高い。
スゴイ!
マスクは効果があったのか!
とはいえ気になる点はあります。
◇◇◇
時期が怪しい。
『2021年9月1日~30日および2021年12月15日~2022年1月14日』とされていますが、実際の感染波と合わせると以下。青枠がだいたいの期間。
夏のピーク後半と冬のピーク前半が対象になってます。これ結構影響ありそう。ってか、なぜこの期間にしたのか謎。
最近の日本だと新型コロナは南から北の順で流行しています。つまり時期により地域差があるわけですがアメリカでも同様でしょう。
なので、この期間の場合、全国的なピークの中で後半に被害が大きい地域にとって有利な結果になります。日本でいう東北地方とかの感じ。
そんで、調整モデルで使用した変数のリストに『地域(Region)』が載っており(青枠)、中西部と北東部の差が結構大きい。ってか『人種(Race)』のほうが差がデカイか(赤枠)。
◇◇◇
ということで、マスク義務以外の差が結構大きく、そこの『調整』の妥当性評価が重要になってくるでしょう。ここまでくるとガチプロじゃないと厳しい。ギブアップ。
◆おわりに
今回のマスク研究は、子どもを対象に抗N抗体を比較するという方法により、ユニバーサルマスキングの効果を評価出来るようなものだったと思います。
とはいえ私のような素人から見ると『チェリーピッキングじゃね?』って疑念は残ります。もちろん論文自体もマスクの効果として強い表現をしているわけではないんですけどね。
専門家の方のレビューを期待したいところ。
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