コロナの『重症者数よりも死者数が多い理由』を確認してみた。
最近、いくつかの記事で気になる内容を見ました。
それは『新型コロナの重症者数が死者数と比較して明らかに少ない』ということ。
統計を確認し気になったので、ちょっと調べてみました。
先に結論を書くと『重症の定義が現状に即していない』という理由っぽいです。
◆現状の確認
単純に考えれば死者数よりも重症者数のほうが多くなりそうなものです。
しかし、下記を見ると明らかに死者数のほうが多いですね。
(東洋経済のサイトから、ピーク・2023.1月前後の重症者数と死者数です。)
ただし、上記の重症者数については『増減』ですので、1日あたりの症例増加数ではないことに注意が必要です。(おそらくマイナスと相殺されている。)
◇◇◇
NHKのデータを確認してみます。
以下は2020年6月からの死者と重傷者です。
上記の重傷者数については『その日に新規で増えた重傷者数』ではなく、『その日の重症者数合計(重症の期間中はカウントされる)』かと思います。
『その日に新規で増えた重傷者数』は東洋経済のサイトでも不明ですが、死者数より明らかに少数になるはずです。そして、その傾向はオミクロン以降に顕著だと言えるでしょう。
◆なぜ『重症数<死者数』となるのか?
理由について、まずは自分の知識のみで推測してみました。
以下あたりでしょうかね。
重症の定義がオミクロンから変化した。
コロナの病態がオミクロンから変化した。
(重症を経ずに死亡する。)治療のガイドラインが変わった。
ワクチンの重症化予防効果。
統計の不備。
◇◇◇
重症の定義については東洋経済のサイトに以下のような注釈がありました。
どうやら、全国で統一された定義ではなさそうですね。
◇◇◇
影響の大きそうな東京都の基準を調べたところ、以下でした。
『人工呼吸管理またはECMOを使用している患者』とあります。
これはオミクロン以降に妥当なのだろうか?怪しい。
◆専門家の見解
上記のような疑問についてネットで調べたら、良さそうな記事がありました。
以下に一部引用します。リンクは以下です。
◆まとめと所感
もともとの『重症者』の定義は、肺炎や呼吸不全を前提していたもののようです。そして、オミクロン以降の病態の変化等により実態に合わなくなっている。ということでしょうか。
統計的には重症化を経ずに死亡しているように見えますが、実際はICUでの治療等は適時行われているのでしょう。
まあ、コロナも5類になり、いまさら基準の見直しはされないのでしょうが、これまでのデータを分析する際には注意が必要ですね。
◆おわりに
第8波の死亡者の死因については、コロナ感染を契機とする持病の悪化も示されており、そのような『関連死』を『コロナ死』に含めるかどうかは、コロナの脅威という印象に大きく関わることです。
とはいえ、その傾向は超過死亡の要因としての『隠れコロナ死』を推測させるもののように思えます。
コロナ後遺症では免疫力低下が示唆されていますが、それが軽症でも生じているならば、時間差で持病が悪化するなどあっても不思議は無いように思えます。
日本における超過死亡増加の波はコロナ流行と連動しているように見えますが、そのような影響があるのかもしれません。
なお、ワクチン接種でも似たような推測は出来ると思いますので原因の切り分けは難しそうです。困ったものですね。
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