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『変異したサル痘ウイルス』に『既存の天然痘ワクチン』が効くの?

前回のサル痘関連記事からしばらく経って、随分慌ただしくなってきました。

そして、既にワクチン接種の動きとなっているのを見て『なんだか色々と雑じゃないですか?』という感想を持っています。

今回の記事はタイトルの通りですが『変異したサル痘ウイルスに既存の天然痘ワクチンが効くの?』という疑問です。

私は専門家ではないのでたいした裏付けも答えも無いんですが、気になったことをまとめておきます。


◆サル痘、これまでのまとめ

これまでの確認数を下図に示します。

Monkeypox - Our World in Data
[2022.08.04 引用]
https://ourworldindata.org/monkeypox

8/3の時点で、26,048人(世界)。
傾向としては確実に増加している感じですね。

◇◇◇

症例が確認された年齢・性別の割合などが整理されているサイトを見つけました。
以下です。興味のあるかたはどうぞ。

上のサイトから年齢・性別のデータのみ引用します。
(引用部はwww.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

年齢と性別の比率は図4の通りである。性別の記入があった)症例の98%が男性と記載されている。確認された症例の平均年齢は41歳である。

図4:2022年のサル痘確定例の年齢と性別の分布。確定症例の6%は、この図に含まれるのに十分なメタデータを含んでいる。これらの症例のうち、95%は複数の年齢区分にまたがる年齢範囲が報告されている。このような状況では、報告された年齢範囲を把握するカテゴリーにカウントが均等に配分される。

Monkeypox 2022 global epidemiology; Report 2022-07-29
[2022.08.04 引用]
https://www.monkeypox.global.health/

Female(女性)は圧倒的に少ないですね。

年齢分布からしてMSM(男性間性交渉者)間での感染の拡がりを印象付ける内容です。実際、そのような報道がされています。


◆日本の報道に見る違和感

さて、ちょっと古いですが日本の報道から一部抜粋します。

欧米で急拡大のサル痘感染、98.8%が男性 日本での対策は
朝日新聞デジタル
後藤一也 市野塊2022年7月24日 5時00分

WHOが約1万人の患者を分析したところ、98・8%は男性で、とくに18~44歳の男性が症例の77%を占める。今回の感染者の多くは男性との性的接触のある男性という。

症状としては、発疹や発熱などがあるが、ほとんどの人は軽症だ。だが、濃厚な接触をすれば誰にでも感染する可能性はあり、WHOは「幼児や妊婦には重篤な病気を引き起こす可能性がある」と注意を呼びかける。

欧米で急拡大のサル痘感染、98.8%が男性 日本での対策は:朝日新聞デジタル
[2022.08.04 引用]
https://www.asahi.com/articles/ASQ7R62T4Q7RUTFL008.html

『とくに18~44歳の男性が症例の77%を占める。』というのが気になります。

まあ、その情報自体は正しいのでしょうが、『天然痘ワクチンを打ってない年齢が感染してますよ。』ってアピールしてるように私には見えます。

実際は『とくに』でもなんでもなく45歳以上もかなり感染してます。
困ったものです。


◆天然痘ワクチン効かないんじゃね?

日本ではだいたい『45歳以下』くらいが天然痘ワクチン(種痘)を打っていないとされている。正確な年齢は自治体により違うかもしれない。

世界各国においての接種済年齢は不明だが、以下のような情報があった。
(一部抜粋引用です。)

「サル痘」と「バイオテロ対策」の見過ごしてはいけない深い関係
執筆者:上昌広 2022年8月4日

クローズアップされる天然痘ワクチン未接種の世代

 さらに『サイエンス』誌が重視するのは、サル痘ウイルスが蔓延しているアフリカ11カ国での対策を強化することだ。サル痘ウイルスは人獣共通感染症で、多くは齧歯類を介してヒトに感染する。この地域で、ヒトと齧歯類との接触を減らすように対策を強化するとともに、40歳以下の住民3億2700万人への接種を急がねばならない。

 なぜ40歳以下かと言えば、この世代は天然痘ワクチン(種痘)の予防接種を受けていないからだ。1980年5月、WHOは天然痘の根絶を宣言し、この前後から世界中が種痘の接種を中止した。我が国では、1976年を最後に種痘に定期接種は中止されている。この結果、今年45歳になる世代より下は種痘を受けていない。

「サル痘」と「バイオテロ対策」の見過ごしてはいけない深い関係:上昌広 | 医療崩壊 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
[2022.08.04 引用]
https://www.fsight.jp/articles/-/49076

上記によると、世界的に40歳以下は打ってないという感じのようだ。
しかし、先に引用したデータによると50歳以上でも普通に感染している。

つーか、『アフリカ11カ国での対策を強化する』とか書いてあるけど、今ヤバイのは欧米なんですけど?

◇◇◇

そもそも結構前にウイルスが大きく変異していることが確認されている。
大丈夫か?効くのか?

サル痘ウイルス遺伝子変異50カ所 感染力増大か
2022/6/24 19:45

5月以降、欧米を中心に患者が増えている感染症「サル痘」の原因ウイルスは、2018~19年に確認されたウイルスから約50カ所の遺伝子の変異があり、感染力が増大している可能性があるとの分析結果を、ポルトガルの国立衛生研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシンに24日発表した。

サル痘ウイルス遺伝子変異50カ所 感染力増大か - 産経ニュース
[2022.08.04 引用]
https://www.sankei.com/article/20220624-7ZTEZY7HP5L7VPMV5NC7DKCCNM/

◆おわりに

世界が接種を急いでいるのだから『既存の天然痘ワクチンは今回のサル痘にも効く』と考える人がほとんどかもしれない。

しかし、『約50カ所の遺伝子の変異』がある今回のやつに、その効果は確認されているのだろうか?

私は『効果が確認された』という情報を見ていない。
『昔のやつに効果があるっぽい』という情報だけだ。

また、『約50カ所の遺伝子の変異』という理由の分析は出来ているのだろうか?どうせまたすぐに変異するんじゃないだろうか?

◇◇◇

これは素人の私だからこそ持つ懸念かもしれない。

なにしろ最初の症例確認から既に三ヵ月経っているのだ。

『さすがにその程度のことは専門家が協議し効果のある対策として天然痘ワクチンを打っているに決まっている。』

そう思うだろうか?

現状のデータを見る限り、私はそうは思わない。

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