マスクや空気清浄機にアルコール消毒が厳禁な理由
感染対策で、マスク、空気清浄機、アルコール消毒が推奨されているのを見ることがありますが、アルコール消毒がその他に厳禁なことはあまり知られていないようです。
厳禁である理由は、フィルターのエレクトレット(静電気)を失活させてしまうため。そうなると微粒子捕集性能が低下します。
過去記事で触れたことはありますが、新しめの関連論文を見たので今回の記事で引用し所感を記します。
◆論文引用
該当論文から要旨のみ引用します。
(全文は見れなかったので、私が読んだのも要旨のみ)
リンクは以下。
◆所感
引用部だけでは詳細な条件が不明ですが、アルコールによるマスクのエレクトレット失活は他の論文でもいくつか見ていますので、空気清浄機でも同様のことが起き得ると考えていいでしょう。
また、私は以前、自室で手指消毒した際に部屋が一気にカビ臭くなったことがあるのですが、エレクトレットの失活(空気清浄機かエアコンの)によるものと推測しています。
気化したもので影響が出るのであれば、頻繁にアルコール消毒が行われるであろう病院の待合所や診察室等で、空気清浄機は十分な効果を発揮していない可能性があります。
どの程度影響があるのかメーカーが評価してくれることを期待したいですが、面倒でしょうから積極的には動かない気がしますね。
◆解決策
私が考える解決策は2パターン。
・アルコール消毒液の使用を限定する。
(他の手段、もしくは、使用場所の限定)
・エレクトレットに頼らない空気清浄機に換える。
個人的には前者を勧めたいですね。
◇◇◇
感染対策における空気清浄では大風量(時間あたりの高い微粒子濾過能力)が前提になるでしょう。
その場合に最適なのは中性能フィルターになると思われ、エレクトレットが必須になるはずです。
静電気に頼らないタイプのHEPAフィルターもあるようですが、足りない能力を補うため多くの台数(コスト)が必要になる気がします。
このあたりは専門家の見解が欲しいところ。
◆おわりに
ということで、アルコールはエレクトレット(静電気)を失活させるため、空気清浄機の運用には注意が必要です。
現状、定量的な評価の目安は無いと思いますが、機器表面やフィルターをアルコール消毒するのは厳禁でいいでしょう。また、7畳程度の閉鎖室内であれば手指消毒2,3回分相当で離れていても影響が出ると私は推測します。
最近では避難所での感染対策で空気清浄機(中性能フィルター)の活用が注目されていますが、合わせて運用での注意喚起は必要かと思います。
マスクを使用している方もお気をつけて。
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