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BMJ『米国のワクチン安全性報告システムは破綻しているのか?』

新型コロナワクチン接種後の有害事象については一般的にほとんど話題にならないように思います。

死亡事例や重篤な副反応は稀、ということなのでしょうが、最近『BMJ』にタイトルのような記事が掲載されたようです。

そもそも統計の結果はだいぶ過小評価されてるんじゃない?
って感じの内容かと思います。

今回は関連するレビュー記事を抜粋し、軽く所感を記したいと思います。


◆記事引用

『Medical Xpress』の記事から一部引用します。

NOVEMBER 9, 2023
米国のワクチン安全性報告システムは破綻しているのか?
by British Medical Journal

ワクチンの安全性に関する潜在的な問題を発見するために設計された米国の報告システムは、ユーザーフレンドリーで、迅速で、透明性があるはずである。しかし、『BMJ』誌が本日発表した調査によれば、このシステムは自らの基準を満たしていないことが判明した。

COVID-19に関するVAERSの標準作業手順によれば、報告は受領後数日以内に迅速に処理されなければならない。

しかしBMJは、COVID-19ワクチンの発売以来170万件という前例のない報告を前に、VAERSの人員配置が、死亡報告を含む提出された重大な報告の審査要求に見合っていなかった可能性が高いことを明らかにした。

BMJ誌が入手した情報公開法(FOIA)文書によれば、ファイザー社はCDCより1000人以上多くの常勤職員を有している。

さらに、他国ではmRNAワクチン接種に関連した死亡例が "可能性が高い "あるいは "おそらく "とされているのに対し、CDCは(他国よりはるかに多い)2万件近い報告書を検討したが、mRNAワクチンに関連した死亡例は1件もないという。

BMJは、多くの医師や州の検死官を含む10人以上の人々に話を聞いたが、彼らは自分自身や患者のために深刻な性質のVAERS報告を提出したが、臨床審査官から連絡がなかったか、数ヵ月後に連絡があったとのことである。
中には、報告書の更新について相反する情報を告げられたり、報告書の作成を思いとどまらせられたりした者もいた。

医師と擁護者のグループは、2021年から2022年にかけてFDAの代表者と複数回面会し、システムが意図したとおりに運用されておらず、シグナルが見逃されているという懸念を表明した。

深刻な症例については、VAERSへの報告者は更新を促すメールを受け取ることになっている。これにはコードとアップロードリンクが含まれているが、BMJが取材した報告者は確認メールを受け取っておらず、データベースで自分の報告を検索しても変更されないままである。同様に、報告者が診断の治療に成功して改善したり、病気の原因がワクチンとは無関係であることが確認されたとしても、それは公開データベースには反映されない。

VAERSを監督するFDAのナラヤン・ナイール部長は、擁護者たちとの会合で、人々が更新された報告書を探し、元の報告書が手つかずのままであることを知り、"無視されている "と感じて苛立つことを認めた。

「私たちは最初の報告書に手を加えてはいませんから、人々は最初の報告書を見ることはないのです」とナイールは説明した。

Is the US reporting system for vaccine safety broken?
[2023.11.14 引用]
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
https://medicalxpress.com/news/2023-11-vaccine-safety-broken.html

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BMJの記事リンクは以下です。

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以下、BMJについて。

BMJとは、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(イギリス医師会雑誌:British Medical Journal)の略称で、1988年からBMJが正式名称となっているイギリスの医学誌である。British Medical Association英語版)が監修し、BMJ Group英語版)から発行されている。BMJ Groupからは他にも24種類の医学専門雑誌が発行されている。 国際的にも権威が高く日本でも医師であれば必ず読んでおくべき雑誌と言われている。 世界五大医学雑誌などと呼ばれる代表的な医学専門誌の一つである。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル - Wikipedia
[2023.11.15 引用]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB

◆所感

VAERS(ワクチン有害事象報告システム)はアメリカのシステムですが、日本でも度々ワクチンの安全性絡みで情報元として目にする機会がありました。

引用した記事はその結果について疑義を呈するものかと思います。

しかし、記事中では定量的な推定(どの程度過小評価されているのか)まで行われていません。

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おそらく日本でも同じようなもの(被害が過小評価されている)で、個人的な懸念としても以下の記事にまとめました。

また、報告された有害事象への対応の遅さ、評価基準、評価方法の透明性には疑問があります。


◆おわりに

今回の記事の掲載元が、ワクチンに否定的な情報ソースとしてありがちな『Epoch Times』や『ZeroHedge』でないことは重要だと思います。
(それはそれでそういう傾向を前提として読めばいいと思うんですけどね。)

有害事象統計の妥当性については日本でも見直されるべきでしょう。

まあ今後それがされるとも思えないので、研究者から挙がっている懸念が妥当に評価されるのを期待したいところです。

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