子育て経験がある方にとっては『そらそうよ!』って感じかもしれませんが、新型コロナに関するタイトルのような調査結果の記事です。
まあ、考えてみるとそんな感じはしますよね。
子どもが悪いとかでは全然ないんですけど。
今回は、論文のレビュー記事を翻訳抜粋し所感を記したいと思います。
◆記事紹介
記事から一部翻訳引用します。
長いのでお時間の無い方は飛ばしてください。
リンクは以下です。
◆まとめと所感
米国での2019年10月から2022年10月までの発熱データによる研究です。
記事タイトル中の『70%以上が子どもから』というのは目を惹きますが、内訳を見るとそこまでのものでも無さそうです。私が誤読していなければ以下のような感じ。
<全体内訳>
・A(家庭内感染):15.4%
・B(市中感染(経路不明)):その他
<家庭内感染内訳>
・A-1(子どもからの感染):70.4%
・A-2(大人からの感染):その他
<子どもからの感染内訳>
・A-1-1(子ども同士):40.8%
・A-1-2(子どもから大人):29.6%
◇◇◇
家庭内感染(全体の15.4%)の内の7割程度が子どもからの感染、ということ。
個人的には『家庭内感染の割合が思ったほど高くない』という印象で、その7割だったらそこまで注目するほどのものかね。と思わなくもないです。
(その中でも4割程度が『子ども同士』ですし。)
とはいえ、注目されているのが『感染増加』と『子どもからの感染』の負の相関。これをどう見るべきか。
◆負の相関
『感染増加』と『子どもからの感染』については、以下の表にまとめられていました。
青い線が感染者数の増減。色付きの波が子どもからの感染。
◇◇◇
たしかに、感染のピークを見ると『子どもからの感染』の割合は落ちています。
著者は『SARS-CoV-2の拡散には子供が重要な役割を担っており、対面式の学校でも実質的な拡散につながった』としていますが、どうなんでしょうね。
もうちょっと家庭内感染の割合が高ければそんな気にもなりますが、全体からすれば圧倒的に大人同士で感染を拡げているような気がしないでもないです。
◆日本の場合
『日本の場合は子どもからの影響ってどうなってんのかね』と思い、同じようなデータを軽く探してみましたが見つからず。(もう、なんていうか、厚労省関連のデータを時間かけて探す気力が無いです。)
で、そのようなデータが無くとも、年代別の抗N抗体保有率を見れば影響がわかると思い、軽く探したら2023年2月のデータがありました。以下です。
◇◇◇
上記を見ると、子ども(15歳以下)のデータが無い!
なんていうか、こういうのって感染対策の力の入れどころとか、作戦を考えるうえで結構重要だと思うんですけどね。なぜ無いのか。
まあ、傾向としてやはり若いほど感染してるっぽいんで、全体から見れば子どもの影響というのは、やはり大きいのでしょう。
◆おわりに
普通に考えたら感染率の最も高い年代(または特定の職業等)への対策を強めることで、全体の感染率を下げることが出来るだろうと思えます。絶対数にもよりますが。
そのような意味で、やはり『子どもを感染させない』というのが最も重要な対策になるのではなかろうか。心情的にも。
◇◇◇
前回の記事で『中学校の教室内でのマスクと空気清浄機の効果』について取り上げました。
それによると空気清浄機はマスクよりも効果が劣りますが、当然ながら使用する機器の性能により結果は大きく異なるはずです。
ノーマスクで最善に近い感染対策を行うために、学校等ではそのような機器の導入を検討して欲しいところですね。