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アイのない恋人たち 5話 感想

5話は序破急の破

お騒がせカップルの郷雄馬(前田公輝)と近藤奈美(深川麻衣)の2人ともが結婚式から逃亡し、ラブラブ結婚するはずが一転して破滅。

マイナスの波動に影響されたところもあってか、あとの2組も喧嘩別れをしてしまいました。

3組の破滅

これが5話です。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

全員が一人になった時、物を投げつけます。

奈美はウエディングベールを!

雄馬は結婚式の衣装の白いネクタイを!

多聞(本郷奏多)はSEXを学ぶ雑誌を!

栞(成海璃子)は多聞とのライン画面で「今日はお疲れ様でした。」と打ったスマホを!

愛(佐々木希)は(息子の小さい頃の写真を見ながら)時計を!

絵里香(岡崎紗絵)は真和のラインを削除した後、まだ飲んでいる途中のビールを!

真和(福士蒼汰)は唯一一人じゃなくて、
恐らくマッチングアプリで知り合った虚ろな顔した女性と負のオーラが漂う狭いホテルの部屋に入ってルームキーを!

真和は他の誰かと一緒でもお互いに虚ろでお互いを見てないから一人と同じですね。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

雄馬と奈美は知り合って盛り上がった勢いで結婚へと突っ走ったけど、家を出た奈美と一緒に暮らしてお互いの粗が浮かび上がって目に余るように感じてしまって結婚式当日に。

元々、雄馬は最初は奈美にピンときていなかった。
奈美は自分が大好きで、自分の話がものすごく長くて(ウエディングドレスもめちゃくちゃたくさん試着して感想を求めてきた)、
雄馬はいつも早送りしたくてたまらなかったはず。

でもそこらへんは見ないことにして機嫌をとったりしていたけど、自分の親友の多聞の秘密を言うように迫られて、あげく栞(成海璃子)に喋っちゃったと言われたり、おばあちゃんのしつけにまでダメ出しされて愛情が冷めてしまった。

このカップルはマイペース過ぎるお嬢様の奈美を、雄馬が明るく機嫌を取ることで成立していたので、雄馬が引いてしまって機嫌を取らなくなったら終わりますね。

結婚式の衣装で逃げ出した二人が街の路上で鉢合わせし、「そっちも?」と瞬時に状況を把握した後「ごめんなさい」と言って左右に散って行くコントが見られて、リアリティとか関係なく面白かったです。

雄馬がヨレヨレの捨て犬みたいな様子で帰ると、おばあちゃんが驚きもせず「いいから。お風呂、入っといで」と温かく微笑むのがじんわりきました。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

多聞(本郷奏多)と栞(成海璃子)のカップルはボタンの掛け違いが切なくなりました。

「そもそもなんで俺と付き合いたいの?」と多聞に聞かれた栞が、
「私つい一人で頑張っちゃうタイプだから辛くても弱音とか吐きたくないんですけど、多聞さんに会った時、本当に困ったらこの人に助けて欲しいなって思ったんです。この人なら弱みとか見せても大丈夫っていうか、ちゃんと受け止めてくれそうな気がして」と言います。

多聞はポリアンナ効果のことを話します。
「寝る前に今日一日で一番良かったことを考えると気持ちが前向きになれるらしい。今、富田さんが言ってくれた言葉。俺にとって一番良かったことだなと思ったからさ。」

そして多聞は残業中の栞にラインを送ります。
「この前の答えは、結婚式までには必ず」

多聞はこれまで女性と愛しあったことがなく童貞であることを、初めて愛しかけている栞に伝える決心をし、心の準備をして、伝える日を宣言したのです。

栞が自分を頼りにしてくれているということが嬉しくて背中を押されて、心の開放と告白の段取りをしていたのです。

そしていよいよ、あの破滅カップルの結婚式の後始末の時、多聞は伝えようとしました。

「例のことなんだけど。なんていうかその。実は俺」
と言いづらそうにしている多聞の言葉を遮り、
栞はきっぱり励ますのです。

「私、そういうの全然気にしませんから。セックスの経験があるとか無いとか。ずっとそれで悩んでいたんてすよね? 早く言ってくれればいいのに。もうそんなことで悩まないでください。私だってそんなに経験無いんだし。」
とポジティブな明るい笑顔を見せます。

さ、くよくよしないで一緒に走ろうよ、あの太陽へ向かって!
私が手を引いてあげる!

といった立ち位置に多聞には栞のことが見えたでしょう。

多聞は涙目になり、
「それで俺が救われたとでも思ってるわけ?
そんな保護者みたいな言い方されても、こっちは惨めになるだけなんだけど。あーやっぱり俺には恋愛なんて無理だ。ていうか全然必要ない。別に今まで経験なんて無くても困ったこと無かったのに。なんでこんな恥ずかしい思いしなきゃいけないんだよ。君と付き合おうと思ってから、しんどいことばっかだよ。君に好かれるような男でいるのはもう無理だ。君が困った時、助けてあげる力なんて全然ないんだから俺には。私はやっぱり恋愛したいですって言ってたけど、俺以外の男とやってくれるかな。」
と立ち去ります。

多聞は栞に頼りにされるのが嬉しくて、自分のこれまでの人生観とともに秘密を告白したかったのに、
童貞であるという事象だけを先回りして知ったかぶりして上から悩まないでと言われたことで、
栞との関係性において、プライドが傷つきすぎて全く自信が持てなくなったのです。

「恋愛」に対する憧れや魅力も消え失せました。

栞は仕事ができるテキパキした女性なので、多聞が言いづらそうで気の毒だったから、滞った二人の空間を、明るい方向へ一緒に進みたかっただけなのでしょう。

多聞を傷つける気持ちは無かったのです。

ただ多聞を好きなだけで、悪気はありませんでした。

一方、多聞はとてもプライドが高い男性だとわかります。
傷ついたプライドを立て直すために、栞を傷つける言葉を容赦なくまくし立てて痛めつけて去るのです。
(後でたっぷりと後悔するかもしれないが。)

一人、部屋に帰ってそれでも関係を終わらせたくなくて、多聞へ「お疲れ様でした。」と無理して打った時の栞の涙の表情は切なさが胸にくる演技力で見惚れました。
その後、スマホを壊すまで強く投げつける変化が良いです。

✨♥️✨♥️✨♥️✨

さてさて主役カップルですが。

破滅の結婚式の帰り道、読書家の絵里香は真和に想いを伝えるのですが、

その前に彼を分析するのです。

「やっとわかった気がします。あなたがなんで人を愛することから逃げるのか。本気で愛する人がいなくなるのが怖いんじゃないですか。お母さんも愛さんもそうだったから。それがバレたくないから私から何言われても平気なふりしたり、寂しくても寂しくないふりしてるんでしょ?
でも私は逃げません。ずっとそばにいます。あなたのことが好きだから。」

好きな人をもっと知りたくて分析することはあるでしょう。

私もこのドラマの登場人物を分析したりします(笑)

ある映画で、いなくなった一人の人物を登場人物たちがどんな人だったか言い合うというのがあって、それは同じ人物のことを語っているとは思えないほど、人によって見え方がまるで違うのです。

語られた人物も関わる人の性格や関係性によって、関わり方を変化させているでしょう。

また周りの人は自分の見たいように見て理解したつもりになっているのでしょう。

自分でさえ自分のことがわからないのに、単純な図式に当てはめて、あなたはこういう人だから、と分析されるのは嫌なものです。

ひっそりと分析すれば良い。

相手にあなたはこういう人よ、だから私がこうしてあげる、と言われると白けてしまうし、薄っぺらに感じてしまうのです。

それが好意や愛情であっても。

真和は嫌悪と傷ついたのがごちゃまぜの顔した後、笑ってしまいます。

「昔そんなドラマあったなと思って。僕は死にましぇーんってやつ。」

「馬鹿にしてるんですか?」
勇気を出して告白したのに笑われて傷つく絵里香

ふっきった表情になった真和

もう絵里香への恋に発展しそうな没入感は消え失せ、俯瞰していきます。

「やっぱ俺たちは無理だなと思って。君には俺なんかより良い人がいくらでもいるし。
ついでだから言わせてもらうけど、ずっとそばにいるとか、そんな簡単に言わないでもらえるかな。実際俺の親とか雄馬たちだって失敗してんだろ。
俺たちにわかるのは今日や明日のことくらいなんだから。その間の寂しさをうめてくれる人がいればいいんだよ。あんたみたいなタイプが一番必要ないんだ。」

絵里香は傷ついて言い放ちます。
「わかりました。誰かを好きになるとかそういうのやめるんで。」

真和の絵里香を見る冷めた表情と鋭さのある視線。

「そっちも愛することからも愛されることからも逃げ続けてください!」

絵里香も負けずに見据えて、立ち去ります。

✨✨✨

真和N「こうしてまたみんな一人ぼっちに戻っていく。幸せになりたくて今まで必死にもがいてきたのに。相手との距離を一気に縮めてしまったせいで、結局出会う前より遠い関係になってしまう。今日の良かった探しをする気になんて全くなれず、いっそ隕石でも落ちてきて世界が滅亡すればいいと思ってしまう。今できるのはせいぜいこう言って開き直ることだけだ。どうせ人は一人で生まれて一人で死んでいく」

✨✨✨

多聞を筆頭に、真和も絵里香もプライドが高いなと思います。
プライドを傷つけられると、攻撃してしまうところがあります。

その真逆のプライドが無い男が真和の父です。

妻(真和の母親)が他の男と恋して去って行っても、「母さんは恋をせずにはいられない人なんだ」と一途に想い、
「わかってやれよ!」と真和に怒りをぶつける始末です。

プライドが無くても人を傷つけるのです。

真和の傷は深く、自分なりにもがいてきたので、分析されて一言で言われたりすることは許せないのでしょう。

♥️✨♥️✨♥️✨♥️

読んでくださり、ありがとうございます😊

次回も楽しみに見て感想を書きたいと思います。

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