ゲームプランナー入門講座#3-企画書の作り方実践編①
前回は企画の基本形「タイトル+3行見出し」をウマ娘をつかってお伝えしました。
今回はこの企画の基本形「タイトル+3行見出し」にどうやって持っていくのか?
どのような過程を経て出来るのかをお伝えします。
僕の考えた企画でやっても、あまり面白みはないので、
今回もウマ娘プリティーダービーを題材にやっていこうと思います。
前回もお伝えしましたが、ウマ娘には一切関わりはございません。
アイディアのきっかけは様々なところにある
ウマ娘は擬人化+競馬(競走馬)という組み合わせで構成されています。
ということはこれ以前にも擬人化した作品があって、
擬人化すればおもしろいゲームが出来るのでは?
と発想の着眼点になったと思われます。
擬人化ゲームでぱっと思いつくのは
「艦これ」、「アズールレーン」、「刀剣乱舞」、「城姫クエスト」などです。
中でもここ10年での擬人化ゲームといえば、「艦これ」が代表作でしょう。
ウマ娘が発表されたのが2016年3月26日となり、
少なくとも構想の段階はさらにその前となります。
となると2013年にリリースされた「艦これ」を参考にしたのではないかと思います。
他のゲームに触発されて新しい企画を考える
「艦これ」はリリース当初人気が出すぎて新規ユーザーを制限していた時期もあります。
収益もガチャではなく、材料を購入すればゲームを有利にすすめるというものでした。
ゲーム内だけで利益を出すのではなくて、マルチ展開含めてトータルで利益を出す方式を選んでいました。
上記の理由から、ゲーム業界でもかなり注目されていて、
僕の周りの人たちはほぼ「艦これ」をやっていました。
現在もそうですが、
当時のガチャ課金は健全なシステムとはいいきれず、いつか規制がかかるだろうとゲーム業界も危惧していた時期であり、
そんな中に登場した「艦これ」の新しい収益化のシステムに
感化された人は少なからずいたと思います。
そこで擬人化で新しいゲームを作ってみようと考えるのは必然の流れかなと。
当時の僕も擬人化できるものはないだろうかと考えました。
適当に組み合わせれば、良い擬人化のゲームが思いつくわけではありません。
まずは擬人化とはどういうことか?
というのをしっかりと自分の中で解釈して、
咀嚼して本質を理解してから、
合いそうなものを組み合わせて行く必要があります。
擬人化とは「しゃべれないモノをしゃべれるようにして、史実を基に歴史やストーリーを語る」
艦艇は一つ一つに名前と歴史があります。
艦艇の種類は目的によって戦艦、巡洋艦、駆逐艦、水雷艇、潜水艦などさまざまに分けられています。
自分の任務を全うできた戦艦。
志半ばで轟沈して全うすることができなかった軍艦。
そこに乗務していた軍人、建艦に携わった人や地域の人々の生活。
語られることがなかった歴史、ストーリーが艦艇にはあり、
史実をベースに擬人化して提督(ユーザー)に伝える。
その他にも、刀、剣、城など疑似化されたものはあります。
そのすべてに、携わった人の歴史や文化・物語があります。
歴史の傍観者として見てきたものに命を吹き込み、
自分の見てきたものを紡いでいく
それが擬人化することだと思います。
自分の知っているものからアイディアを出す
擬人化の本質がわかったら(自分なりの答えでよいです)
そこから「新しい擬人化はないか?」と考えていくのです。
自分が好きなものや興味があるもので歴史があって、
人の想い・絆があるモノを探していくことになります。
趣味や好きなモノの中から該当するものはないか、まずは書き出します。
僕の場合は以下となります。
・サッカー
・競馬
・B'z
・ゲーム
この中で擬人化できそうなのは競馬です。
その当時、競馬を擬人化するなんて思いつかなかった・・・
(思いついていれば、ウマ娘が開発できたかというとまた別なんですが。)
簡単に僕の競馬歴を書くと
競馬は中学の時、こち亀で競走馬シュミレーションゲームをテーマにした回がありまして、
競馬ゲーム面白そうだなと思って、「サラブレッドブリーダー3」を買いました。「サラブレッドブリーダー3」は過去の競馬史を追体験できるゲームでして、過去の名馬たちを知ることができました。
そしてNHKの特番でナリタブライアンが菊花賞を勝てば史上5頭目の三冠馬になるというのを見て、リアルの競馬もなんか面白そうと思いました。
そして初めて競馬を生中継で見たのがそのナリタブライアンが7馬身差圧勝した菊花賞です。
そこから一気に競馬好きなり、G1はビデオ録画して何回も見直すほどハマりました。
そのあとダビスタにのめり込み攻略本で種牡馬解説を毎晩読んでいました。
サラブレという月刊誌も毎月買ってすみずみまで読み込んでいたのを思い出します。
自分が知っている知識をマンダラートを使ってさらに書き出す
マンダラートとはアイディアを広げる思考法です。
9つのマスを作り真ん中に引き出したいテーマを書き込みます。
今回は「競馬」を広げたいので真ん中に「競馬」と入れます。
周りのマスに競馬の知識を書き出します。
まずは思いついたものを書き出していきます。
9×9=81のマンダラートでさらに深める
出てきた知識をさらに深めるために
周りに9マスを8つ作ります。
先程出てきた知識を真ん中に持ってきます。
同じように、それぞれの真ん中のテーマに関連するものを書き出していきます。
このように自分の中の知識を抜き出すことにも使えます。
また勉強にも使うことができますし、アイディアを整理するのにも使えますので
まだマンダラートを使ったことない方は一度使ってみることをおすすめします。
ここから企画の基本形「タイトル+3行見出し」に落とし込む作業を行っていきます。
まずは競走馬を擬人化するので、主役は馬となります。
何を擬人化させて語らせるのか?もしくは伝えたいのか?を考える
右上のドラマの部分はストーリーとしては面白くできそう
「スペシャルウィークの産後すぐに母馬がなくなる」
「ホクトベガVSベガ。東西ベガ対決」
「◯外クラシック解放元年にクロフネ襲来」
また右中と右下もストーリーとして使えそう
中上の「血統」は、
競馬の醍醐味はブラッドスポーツ。
血を積み重ねる部分をどうゲームに落とし込むか?
擬人化するわけだから、自分で繁殖して増やすのは少し違うかも?
でもまったく入れないわけにはいかないからと・・
ここで、そもそもこの抽出偏ってない?
競馬場の特徴による勝ち馬の傾向とか必要だし
右側と下側がほとんどストーリーのネタになっていて
かなり偏っているのでここで再考を行います。
ただしここで出てきたモノはとっておいてください。
ストーリーのネタに使えそうという理由もありますが
時間が経って見直したときに新しいひらめきが出てくることがあります。
人間はさまざまな出来事を記憶することができるのですが、引き出すのは不得意です。
その引き出すきっかけになるのが、自分が書いたメモになります。
またこれは知識を蓄積することにも繋がります。
行き詰まったら最初の9つのテーマの再考を行う
マンダラートとは自分の考えていることを俯瞰して見ることができるので、
そうした偏りも気づくことができます。
ということで、長くなってきたので、今回はここまでとします。
次回は9つのテーマを再考するところから始めます。
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