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今話題?!のウグイス嬢の私の体験談

こんにちは。上級心理カウンセラー&マインドフルネススペシャリスト、マインドフルネスカウンセラーのKIYOです。

今日は、河井法相が妻が選挙期間中にウグイス嬢に規定以上の日当を渡していたことなどで、辞任となりましたね。

そこで、関係はないかもしれませんが、今年の春の地方議員選挙のウグイス嬢をした私の経験から、ウグイス嬢のお仕事を紹介したいと思います。

私がウグイス嬢になったのは、母の高校の同級生の夫が立候補するにあたり、人員が足りないので、手伝ってほしい、とのことで、お手伝いすることになりました。

与党ではない、小さな野党なのでお金がなく、与党などお金のある政党では、一台の選挙カーに4人ウグイス嬢が乗り、交代で話すこともあるそうですが、私は人生初のウグイス嬢デビューのその日から、朝8時から夜8時までほぼ一人でウグイス嬢をしました。

その後も、多くて二人、ほとんどが一人で行うことが多く、喉を傷めないように、と気をつけながらも、色々なことに気配りをしながら、笑顔で窓を開けて、手を振りながら話すことは、結構大変なお仕事でした。

なにより走行中の車から窓を開けて話しているわけですから、寒かったり、顔がカピカピに乾燥してしまいますし、日焼けもしそうで、一気に肌が老化しそうでしたw。


基本は朝8時から夜8時までですが、朝8時前にはマイクは使わなくても、陣取りがあるので、5時起きの日もあり、最終地から家に帰るのは10時過ぎと、12時間(1時間の昼食休憩)で15000円というのは、妥当な額?ではないように思いましたね。


私がウグイス嬢で気をつけたことは、耳障りにならないアナウンス、つまり最終日でもゆったりと優しい声でコンパクトなメッセージを伝える、エリアによって話すことを変える、などです。

しかし、選挙カーには暗黙のルールがあり、当たり前に行わなければならないのが、他候補者の事務所の前を通る場合には「○○候補者の事務所の前を失礼いたします、ご検討をお祈りいたします」。他候補者とすれ違う際には「○○候補者、ご検討をお祈りいたします」。など、瞬発的に候補者の名前を読み、対応しなければならないということ。住宅街ではスピーカーのボリュームを下げ、大通りではスピーカーのボリュームを上げる。前に他の候補者の選挙カーが見えた場合には、前のスピーカーをオフにして、後ろだけにする。学校の近くではオフにする。信号待ち時、線路近くではオフにするなど、結構、気遣いが必要でした。

とはいえ、全ての候補者がそうしているわけではなく、全く、暗黙のルールを無視してガンガンしてくる候補者もいました。

候補者が演説中には笑顔で手を振ったり、遠くから手を振ってくださった方には「応援ありがとうございます」と必ずお礼を言う。仕事中は最大の観察力を使いました。


もちろん、嫌なこともありました。

他党指示の人から「死ね!死ね!死ね!」と指をさされて、怒鳴られて、怖くなってしまったことも…


それでも、最終日の最後の演説の時、副党首が応援演説に来てくださり、その時の司会をしたのですが、原稿もなく、どの人をなんて読んでいいかも分からない中、ドタバタでなんとか対応しました。

司会が終わって、ホッとした所のラスト10分、候補者と副党首は周辺の方に直接握手に行かれてしまったので、「KIYOさん、あと10分、場を温め続けて!」といきなり言われて、10分間の即興演説をすることになり(これまでも候補者が握手をしている間30分即興演説をすることもあったのですが)、冷や汗もので10分間、ゆったりと優しく、良い印象を持ってもらえるようにと心掛けて演説をしました(最後のお願いです!とか言うのは、候補者の信条と違ったので)。

まさに、「ふーーーーっ、終わったぁ~」と肩の力が抜けたところに、副党首がいらっしゃり「あなた、ウグイスも司会も演説も本当にお上手ね」とお褒めの言葉を頂き、また後援会の方からも「KIYOさんの司会と演説はすごく良かったよ、プロの司会の方なの?」なーんて言われちゃったものですから、ちょっとうぬぼれちゃいました。

結果、私がお手伝いした候補者は小さな野党からの出馬にも関わらず、上位当選することが出来ました。

当選したのは、もっぱらに候補者の人柄やこれまでの功績にある訳ですが、その方は演説の際に「私は○○を実現しました!」「待機児童を減らしたのは私の実績です」みたいな、他の方の演説のような、「自分自分」の演説をされないので、「なぜ、他の方のように、たくさんの実績をお持ちなのに、それを演説でおっしゃらないのですか?」と私が伺うと、「すべての行政が決定することは多数決で決まるんだ。与野党協力しないと、良い街にはならないし、良い街にするのは、誰の功績とかではなく、議員全員の協力と理解の上に成り立っているから、それは私の功績や実績ではなく、議会全体の功績であり、実績なんだ。だからそれを、さも自分だけの力だと言ってしまったら、色々な良策も進められなくなるんだ」と仰いました。

なんて、謙虚で民主主義ということを理解し、区民の為に毎日を捧げている人なんだろう、とこの人のサポートが出来て良かった、と思った瞬間でした。

日本では政治のことを語ることはタブーではありますが、少しだけでも政治の世界を垣間見たことで、色々と考えるきっかけを頂きました。

ウグイス嬢はその候補者の人となりを、有権者に正しく伝える仕事であり、そして、ノイジーに思われる方もいらっしゃる方も多いかと思いますが、温かい気持ちで耳を傾けて頂ければ、その候補者がどんな人なのかが分かるかも知れませんよ。

例えば、住宅街でも大きい音で遠慮なく、ぎゃんぎゃんスピーチする選挙カー。「大きな音で住宅街をお邪魔しております」と一言添えてからスピーチする選挙カー。ただ録音したものを機械的に流す選挙カー。「お願いします!どうぞ○○に皆様の一票をお願いします!」のお願いしますだけの選挙カー。

あなたはどの選挙カーに乗っている候補者を選びますか?

以上、ウグイス嬢経験者のKIYOでした。

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