見出し画像

「絶対に二日酔いになりたくないおれVS酒」対戦記録ノ〜ト②

五月二十七日、朝九時。目覚めた瞬間にハッキリと感じる不快感とそれを遥かに凌駕する自分への失望感で、私はしばらく起き上がることが出来なかった。そんなはずはない、これはきっと夢だ、そう信じ込もうとしたが、胸あたりに感じるソレはあまりに現実味を帯びていて、悲しいかな二日酔いを受け入れざるを得なかった。目を覚ましたはいいものの、気持ち悪くて再び眠りにつくこともできないので、仕方なくベッドのなかで昨日のことを思い出す。中華屋で紹興酒をガブガブ飲んだところまでは順調だった。よいときOne、亜鉛、ナイアシンアミドを飲酒前にぶち込み、帰り道、駅のホームで買った水に経口補水パウダーをブレンドして飲むアフターケアも忘れない。なんならコンビニでしじみの味噌汁を買って家に帰り、締めのオルニチン摂取によって素晴らしい終焉を迎える、はずだった──

帰宅して味噌汁まで飲んだあと、まさかの酒マンチー発動。気付けば家にあった辛ラーメンと、ついでに赤ワインでやりはじめるという奇行に走っていました。で、結局二時半まで飲んで朝九時に絶望を感じるという流れ。もう、完全に敗因コレじゃん。寝る直前まで飲んでるというのと、深夜に炭水化物摂取、ダブルで最悪。寝てから起きるまでにアルデヒド分解と糖質分解がスムーズに行われていなければ当たり前に気持ちのいい朝を迎えることはできないワケですが、昨日の私はきっとそれを理解しながら自らの意思を持って辛ラーメンと赤ワインをキメている。だって涙流すくらい美味かったもんな。同情しますよ、昨日の自分に。

どれだけ二日酔いになったって、自分を責めることをしないのが俺流。まあ人に迷惑かけてたら反省するけど。「締めのラーメンを我慢する」とか、「寝る二時間前までに飲酒を終わらせる」とかそんな単純な解決策で済むなら、そもそも酒なんて飲んでないんですよ。頭では理解しながらも深夜に辛ラーメンとワインをやっちゃう自分を許したいんですよ。二日酔い対策はそのためにある。自分を最大限に甘やかすためのひみつ道具みたいなものです。というわけで、今回の敗因から次なる手を考えました。結論から申し上げますと、鍵となるのは「ビタミンB1」です。二日酔いの元凶である「アセトアルデヒド」を分解する救世主「アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」の存在に注目して奮闘してきた日々ですが、このALDH2で分解が追いつかない場合は別ルートでの分解が始まるということを知りました。それが「MEOS(ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系)」という酵素群になるのですが、そのMEOS経路での分解に使われるのがビタミンB1。さらに私が注目したのは、糖質の分解を助けてくれるのも、このビタミンB1だということ。つまり、深酒&締めのラーメンをやった場合、ビタミンB1がめちゃくちゃ使われてしまうということになる。それなら摂取するほかないよねと、そういうフロウでございます。

ただ、このビタミンB1、実は熱に弱いとかそのままだと吸収されにくいとか色々弱点があるらしく、ビタミンB1とアリシンという成分を結合させた「フルスルチアミン」という成分がもっと調子いい、みたいなことも調べたら出てきて。どうやらフルスルチアミンは、ビタミンB1に比べて腸からの吸収がすぐれていて、筋肉や神経などの細胞内で効果を発揮する形である「活性型ビタミンB1」に変換される、らしい。そうなると、市販で手に入るのはアリナミンくらいなのですが、フルスルチアミン以外の成分をザッと比較した感じ、二日酔い対策という観点からいけば「アリナミンA」が良さげなので(ビタミンB群が豊富)、ひとまず試してみようかなと思っています。腰痛とか肩こりとかに効くイメージだったので、正直この歳で手に取ることになるとは思いもよらぬサプライズ。ちょっと高いのが悩みどころですが、締めのラーメンで嬉し涙を流す私のためなら少しの犠牲は止むを得ません。そう、全ては、輝かしい酒ライフのために❗️挑戦は続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?