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映画備忘録1      『ホーリー・マウンテン』

今まで観てきた映画をふり返る。洋画・邦画、傑作・クソ作品問わず、28年を通して鑑賞してきた全作品を、ここに挙げていく。

年代別、あるいは監督別という枠組みを与えれば、やり易いだろう。が、あえて順不同に列挙していく。ネタバレは(極力)しない。好きな作品は熱く語るかも知れないし、クソみたいな作品も同じ熱量で語るかも知れない。その日の気分で、何かしらの作品について記述する。

......真っ先に思い浮かんだのが、この『ホーリー・マウンテン』だった。

【あらすじ】
不死を求め、聖なる山の頂上へと向かう男女9人の狂気と美に満ちた旅の行方を描く。ホドロフスキー監督自身が、登場人物たちを聖なる山へと導く錬金術師を熱演する。

「好きな映画は?」

といった質問ほど、答えづらいものはない。「今日は○○」という具合に、随時変更される。しかし、この作品は確実に候補の一つとして挙がる。

......それは高校生の頃だった。TSUTAYAを一人でぶらぶらしていた際に、「発掘良品」のシールが貼られていたこの作品をみつけた。謎のお墨付きを頼りにレンタルし、何の前情報も入っていない自分だったので、まさかこの作品がカルト中のカルト作品だったとは知らず、その目まぐるしい映像と展開の数々に、人生最大級の衝撃を受けるとは思いもしなかった。

そして、「こんな終わり方があっていいのか!」と、カルチャーショックを受け、度肝を抜かれた自分は、観終わってすぐに作品について調べてみた。すると、どうやらジョンレノンがこの作品をいたく気に入っていたらしく、配給権を45万ドルで買い取ったという逸話を見つけた。道理で面白い訳だ。

多感な時期に観たことが、衝撃度に拍車をかけたのかも知れない。この感覚を忘れたくないがゆえに、鑑賞はその1回だけに留めている。何かしんどい時、または人生の転機に、ふたたび観ようと思っている。偶然の出会いの大切さ、または面白さを、この作品が教えてくれた。


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