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1995年生まれ☺︎ ポケモンでいうと『ルビー・サファイア』世代 プリキュアでいうと『ふたりはプリキュア』世代

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最近の記事

【隣棟間隔の天使】

おそらく猫を探していたのだろう。というのも、家にも、庭にも、その見慣れた灰色の毛並みを確認できなかったからだ。 だからこうして車を運転している。雨の街の中を必死に探しまわっている。しかし、いつまで経っても、猫の名前を思い出せずにいた。 大きな川の土手道を通った際に、ある知人とその兄の姿を見かけた。どちらもスーツに身を包んでおり、どちらも傘を差していない。かれらにはよくない噂が立っていた。 背の高い兄が、無骨に車のドアガラスを叩くと(そのこぶしの甲で鳴らすコツコツという音

    • 映画備忘録11 『殺人の追憶』

      かつての街には「匂い」があったと、昭和の時代を生きた者たちは語る。 それは一体どんな匂いだろうか? 平成と令和の時代を生きる自分にとって、容易に想像しがたいものである。 また、「味噌が無ければとなりの家に借りる」だとか、「自分の子供をとなりの家に預ける」といった営みが象徴する、街の“共同性”なるものについても、現代の社会を生きる自分にとっては、まるでフィクションのように感じる。 となりに住んでいる人が何者で、何をしていて、何が好きか? ......今を生きる者の多くがそ

      • 映画備忘録10 『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

        グラフティ......それは企業広告や街のあり方、延いては社会に対する「声なきアンチテーゼ」 いわばアートの部類で、見るのもに傷(気づき)を与えてくれるもの。ヴァンダリズム(公共物破壊=社会の外側の営み)によって、常識やシステムなどに亀裂を入れ、我々がいかにそれらに囲われて(閉ざされて)生きているのかを知らせる。 このような社会の外側の営みが、資本主義の収益システムに回収されることがしばしばある。例えばこれ。 港区で見つかったバンクシー(と思われる)作品を見つけるや否や

        • 映画備忘録9 『TITANE』

          まず久しぶりにいい作品を見たということを言いたい。 いい作品とは? 自分の中でのそれは、「言葉に纏めることのできない」、または「ジャンルに捉われない」、もしくは「それまで培ってきた社会的視座を覆すような作品」のことを指し示す。 一体何なのだろうこれは? 鉄製の髪留めで次々と人々を殺めるシリアル・キラーものではなく、 車とセックスをして妊娠をする奇々怪界なホラー作品でもなく、 ふとしたきっかけで、狂人と狂人とが共に暮らす奇妙な共同生活のドラマでもない。 .....

          映画備忘録8 『地球に落ちて来た男』

          「そこで出会ったヒト型の生物は、身長が140~150cmほどで、ぴっちりとした銀色の服と靴と手袋を身に着けていた。頭は薄く、人間の頭よりも長く、顔の皮膚は銀白色で、平らの鼻、切れ長の目をもち、口は切れ込み状で、会話しているときもほとんど動かなかった。かれらは外に出るときだけ、翼のある蛇の紋章を左胸につけていた。かれらは別の銀河から来て、すでに地球に基地を築いている」 ......これは実際に起きた「ハーバート・シェルマー誘拐事件」の報告書で、彼は自身の失踪の原因を、特異な宇

          映画備忘録8 『地球に落ちて来た男』

          孤独と実存の病

          以下は、Xで開かれたとある界隈のライブストリームに潜り込んだ際に、実際に自分が耳にした会話内容である。 女:「だって変じゃない? あんな小さな窓の隙間から飛び降りることできる?」 男:「じゃあどういうことなんすかね?」 女:「だから彼女はハーフ・レプだから〜」 ......かれらは亡くなった神田沙也加さんについてを語っている。事件の起きたホテルの窓が極端に狭いために、「通常の人間では通れない=レプティリアン」という、突拍子もない誇大妄想を展開していた。 母親である松

          孤独と実存の病

          トカゲ探しに夢中な者たち

          岸田総理がバイデン大統領との首脳会談に臨むべく、アメリカを訪問している。 それに伴って、牽強付会な言説の聖地ことXでは、ある界隈が妙な盛りあがりを見せている。 「影響力のある者、または社会を牛耳る者たちのすべては、“ゴムマスク”をかぶっており、仮面の下にはDS(ディープステイト)であるトカゲ型宇宙人(レプティリアン)が潜んでいるのだ」 ......と、かれらは大まじめに語る。 自分の知らないところで、ゴムマスクの技術革命が起きていた。今日もかれらは、そのマスクを剥がし

          トカゲ探しに夢中な者たち

          映画備忘録7 『パディントン』

          「二足歩行で歩き、人間の言葉を話すクマ」 ......そのような珍獣が街中をうろついているならば、即座に通報されるに違いない。しかし、この作品の場合は、通報を受けて、人体実験を施され、剥製となり、「THE END」の文字が出て......という結末にいたることはなく、住民たちは何ら違和感を覚えないままに、彼の横を通り過ぎていく。 ......どこをどう見れば、「物売り」に見えるのだろうか? 我々の世界の感覚とは少し違うままに、物語は進んでいく。 やがてある一家に拾われる

          映画備忘録7 『パディントン』

          映画備忘録6 『ハッチング 孵化』

          映画備忘録6 『ハッチング 孵化』

          映画備忘録5 『地球へ...』

          人工知能によって教育されたエリート官僚のキースは疑問に思う。 『なぜ反乱分子であるミュウを、機械は生まれる前に摘み取らないのか?』 人工知能はそれに答える。 「そうプログラムされているからだ」 ......すべては計画のもとに進んでいる。人類とミュウは争う運命を逃れられない。むしろそうするようにと、機械のプログラムが推奨する。 なぜ?という疑問は、“フィジオクラシー”なる通念を用いることで解消できるに違いない。 日本語だと「重農主義」と訳されているそれは、社会学で

          映画備忘録5 『地球へ...』

          映画備忘録4 『グラントリノ』

          “グラントリノ”とは、アメリカのフォード社の車のことで、全くと言っていいほど車に興味のなかった自分は、この映画のタイトルが何を意味するのかを分からずにいた。 『......よく分からん題名だけど、とりあえずイーストウッドの新作だから観てみよう』 そう思いながら劇場に足を運んだ中学生の自分だった。が、まさか人生で初めて映画を観て号泣するとは、このとき思いもしなかった。 自動車産業の成長とともに発展したデトロイトの街。しかし、外国(おもに日本)からの自動車輸入増加の影響によ

          映画備忘録4 『グラントリノ』

          映画備忘録3 『ほとりの朔子』

          いわゆる「ジュブナイル」もので、子供と大人の狭間的な存在である少年/少女が、ある場所に向かい、そこで様々な体験をして成長し、もとの場所に帰ってくるまでを描く。同じ系譜の物語として、『ザ・ビーチ』『美しき冒険旅行』『スタンド・バイ・ミー』『哀れなる者たち』『千と千尋の神隠し』『思い出のマーニー』『君たちはどう生きるか』等々があげられる。(宮崎駿監督はこのモチーフが得意らしい)。 水辺という場所は古来から、俗世と冥界をつなぐ境界として知られてきた。ゆえに、あの世へと繋がる川に遺

          映画備忘録3 『ほとりの朔子』

          風吹けば盛りあがる者たち

          きのうは低気圧の影響で全国的に強い風が吹いた。首都高ではトラックが横転し、千葉県では大規模な土埃が舞った。 それに伴って、稚拙な言論の養殖場ことXでは、ある界隈が妙な盛りあがりを見せた。 ......風と共に去ラぬ。むしろ湧く。界隈の新たなトレンドは、この「人工風」であるらしい。 最初の投稿に書かれている“ケム”とは、chemical trail(ケミカル・トレイル)の略で、飛行機が化学物質などを空中散布することを意味する。この技術がよく陰謀論に活用される。 たとえば

          風吹けば盛りあがる者たち

          映画備忘録2 『パール』

          この作品を語る前に、前作の『X』について触れる必要がある。 王道のスプラッターホラーで、特に意匠の凝った作品ではない。が、まさかエンドロールに流れる“文字”で驚かされるとは思わなかった。 そしてエンドロール後に、続編を示唆する映像が流れたので、二重に驚かされることになる。 「え、パールの過去編やるの?」 ※パールとは農場を経営する老婦人のことで、 主人公一同を恐怖の底に陥れた。 「彼女の過去に、一体誰が興味があるのだろう?」 当時は誰しも、このような疑問を抱いたに違

          映画備忘録2 『パール』

          映画備忘録1      『ホーリー・マウンテン』

          今まで観てきた映画をふり返る。洋画・邦画、傑作・クソ作品問わず、28年を通して鑑賞してきた全作品を、ここに挙げていく。 年代別、あるいは監督別という枠組みを与えれば、やり易いだろう。が、あえて順不同に列挙していく。ネタバレは(極力)しない。好きな作品は熱く語るかも知れないし、クソみたいな作品も同じ熱量で語るかも知れない。その日の気分で、何かしらの作品について記述する。 ......真っ先に思い浮かんだのが、この『ホーリー・マウンテン』だった。 「好きな映画は?」 とい

          映画備忘録1      『ホーリー・マウンテン』

          “6”に過剰反応する者たち

          ディズニーシーが新エリアの「ファンタジー・スプリングス」をオープンする。 それに伴って、社会の肥溜めことXにて、ある界隈が妙な盛りあがりを見せている。 ......空いた口が塞がらない。 かれらの中では、ディズニーランド=臓器移植目的のための児童誘拐の場という設定らしい。 なぜ子供を誘拐するのかといえば、「アドレノクロム」という若返り薬の採取には、子供の脳みそが必要だからという理由に他ならない。(アドレナクロムという薬品は実在するものの、子供の脳みそから作られる訳はな

          “6”に過剰反応する者たち