映画備忘録2 『パール』
この作品を語る前に、前作の『X』について触れる必要がある。
王道のスプラッターホラーで、特に意匠の凝った作品ではない。が、まさかエンドロールに流れる“文字”で驚かされるとは思わなかった。
そしてエンドロール後に、続編を示唆する映像が流れたので、二重に驚かされることになる。
「え、パールの過去編やるの?」
※パールとは農場を経営する老婦人のことで、
主人公一同を恐怖の底に陥れた。
「彼女の過去に、一体誰が興味があるのだろう?」
当時は誰しも、このような疑問を抱いたに違いない。しかし、それはまったくの杞憂で、A24作品の中でも、傑作中の傑作になるとは、このとき誰が予想できただろうか。
自分の中で1億点を叩き出し、速攻でBlu-rayを買ったほどの作品だけれども、いざ語るとなると、それが不毛に思われる。可愛いし、狂ってるし、ドラマとして完璧すぎる。
それでも、あえて言葉を付け加えるならば、
やはりあの強烈すぎるラストの場面は無視できない。映画史に残る“顔面芸”がマジで怖い。
トラウマになって夢に出てきた。
そして7月5日に続編の『Maxxxine(マキシーン)』がアメリカで公開される。
あらすじは分からない。が、『X』の主人公だったマキシーンが、パールと出会った(掛け合わされた=×)ことによって、何かしらの変化が生じた後の物語に違いない。
『パール』で、フランスポルノが登場し、
『X』で、アメリカンポルノの黎明期を描き、『Maxxxine』は、(xxxが示唆するように)
80年代ビデオポルノ全盛期を語るのだろう。
......それにしても、主演のミア・ゴスが凄すぎる。すべて同じ人物が演じているとは思えない。そして本名に“ゴス”が入ってることも、こういったホラー作品の運命のもとに生まれたとしか思えない。