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映画備忘録2 『パール』

この作品を語る前に、前作の『X』について触れる必要がある。

【あらすじ】
1979年のテキサス。主人公の少女マキシーンを含めた男女6人のグループが、それぞれの野心と思惑を胸にして、ポルノ映画の撮影に挑む。かれらは老夫婦が暮らす農場をロケ地に選ぶ。が、
その夫婦の様子が何やらおかしい。やがて悲劇の連鎖が始まり......


王道のスプラッターホラーで、特に意匠の凝った作品ではない。が、まさかエンドロールに流れる“文字”で驚かされるとは思わなかった。
そしてエンドロール後に、続編を示唆する映像が流れたので、二重に驚かされることになる。

「え、パールの過去編やるの?」

※パールとは農場を経営する老婦人のことで、
主人公一同を恐怖の底に陥れた。

「彼女の過去に、一体誰が興味があるのだろう?」

当時は誰しも、このような疑問を抱いたに違いない。しかし、それはまったくの杞憂で、A24作品の中でも、傑作中の傑作になるとは、このとき誰が予想できただろうか。

【あらすじ】
『X』の60年前を描く前日譚。老婆パールの若かりし頃を描き、夢見る少女だった彼女が、いかにしてシリアルキラーへと変貌したのかが明かされる。

ワニさん
オズの魔法使い
夢見る映画スター
大号泣


自分の中で1億点を叩き出し、速攻でBlu-rayを買ったほどの作品だけれども、いざ語るとなると、それが不毛に思われる。可愛いし、狂ってるし、ドラマとして完璧すぎる。

それでも、あえて言葉を付け加えるならば、
やはりあの強烈すぎるラストの場面は無視できない。映画史に残る“顔面芸”がマジで怖い。
トラウマになって夢に出てきた。

そして7月5日に続編の『Maxxxine(マキシーン)』がアメリカで公開される。

あらすじは分からない。が、『X』の主人公だったマキシーンが、パールと出会った(掛け合わされた=×)ことによって、何かしらの変化が生じた後の物語に違いない。

『パール』で、フランスポルノが登場し、
『X』で、アメリカンポルノの黎明期を描き、『Maxxxine』は、(xxxが示唆するように)
80年代ビデオポルノ全盛期を語るのだろう。

......それにしても、主演のミア・ゴスが凄すぎる。すべて同じ人物が演じているとは思えない。そして本名に“ゴス”が入ってることも、こういったホラー作品の運命のもとに生まれたとしか思えない。

A24のミアゴスポルノホラー三部作

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