夕暮れの街

夕暮れというものが好きである。
夕日というものが好きである。
なんでだろう。
あの美しくももの寂しげな、秒単位で変わっていく儚くも、でも強烈な美しい色彩で輝く空や街並みは、毎日見ていても飽きない。

夕方になるとたくさんの人々が歩いているのを目にする。
それこそ仕事帰りのサラリーマンやお姉さん、
学校帰りの制服姿やジャージ姿の学生達、
犬を散歩させている人、
ふらり散歩するおじいさんやおばあさん、
子供と親が夕涼みに歩いていたりして。

いいなあ。と思う。
みんなそれぞれ帰る場所があって、それに向かって歩いていく。
あの夕日で黄金色に彩られた街並みを。

昼間の暑さに蒸された草木の匂い。
熱せられたアスファルトの匂い。
そしてむんとした夏の匂い。
そんな中を、昼間より少しだけ下がった気温の中を、気だるさを抱えながら人々が歩いていく。

もう、夏だ。

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