海月
光の明暗しかわからない目
耳はなく、感覚器官で音の高低を感じるだけ
心臓、血管、脳もない
泳げず、浮かび漂う
一体何と引き換えになくしてしまったのですか
10億年も前から変わらない
私は君が分からない
沢山の種類と個性
死に際に若返ったり
短い命で海に溶ける
だから、綺麗だと賞賛される
そんな君が、心底羨ましい
でも、私だって
君にはないものを持っている
だって、君には分からないような苦しみや痛みを日々経験し
もがきながらも必死に生きている
君の毒のように身を守る術は持ち合わせていないけれど
守られていると口だけの世界で
今日だって立ち向かったり逃げながら息をしている
私は歪で他とは違う君が大好きだよ
だから、いつか絡まりあって溶け合えればいいのにと思ってる
きっと私たち、全然似ていないかもしれないけれど
脆くて儚くて美しいところは変わらないはずでしょう。
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