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MEA後に気づいたこと  その13                             361名の術後3月または12月の自由記載とVASスコア


MEA術後の成績が芳しくない症例について


336はVAS 55、 348は VAS 40、 361は VAS 45と芳しくないVASスコアです。336はかなり少なくなったという感想でしたが、VASスコア 55。しかし、その割には血塊の排出や貧血も改善しているので経過観察としました。348は術後1.5年目の評価でVASスコア 40で、貧血も続いています。血液検査の結果、貧血は保存的に治療可能と評価しました。361は子宮腔の形状には特徴がありましたが、子宮が腫大しているわけではなかったのでMEAのみで治療しました。しかし、改善不十分でした。重量物を運ぶというので再MEAかとも思いましたが、子宮全摘術を強く希望され他院へ紹介しました。残存内膜が多かったために内膜が再生したのでしょうが、月経痛の改善も不十分ですから、腺筋症のような部位が残っていたのかもしれません。残念ながら、摘出子宮の病理組織学的情報がありませんので推測でしかありません。

おわりに


 今回で予定した361症例のMEA術後の自由記載の紹介は終了します。このシリーズで、これまであまりオープンに語られることがなかった、大量の月経出血に伴う貧血とQOLの低下についての具体的な症状と、その状態を低侵襲に改善するMEAの術後経過について少しでも伝えられたら幸いです。
 子供を産み終えた後、ますます忙しく働き続ける女性たちの能力を低侵襲に回復させる、筋腫・腺筋症のマイクロ波融解術を併用するマイクロ波子宮内膜アブレーションが普及することを願っています。

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