Goryoクラガンの完全ガイドブック ~vs青赤猿~
対戦結果
指輪物語の影響でトップメタから陥落したが、まだまだ対戦することが多いデッキである。
白をタッチしたものや《死の国からの脱出/Underworld Breach》を採用している型も対戦成績にまとめているが、ほとんどは純正のいわゆる『イゼットマークタイド』である。
※白が入っているものは《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》に関しての記事をお待ちください。
さて、対戦成績は88回で61勝27敗(勝率69.3%)、指輪物語後だけに絞ると50回で34勝16敗(勝率68.0%)となっている。
モダン最強デッキだった青赤猿にも大幅勝ち越しできるデッキ、それが『Goryoクラガン』である。
相性
単純な結果からの相性は「有利」と言えるだろう。ただし、このデッキは使い手の環境理解やプレイングで相当勝率が変わると思われる。MO村には全く理解できていない人はいないように見えるが、それでもこちら視点だと選択が怪しいプレイングもそれなりにあった。
そのような体感も含めると「やや有利~有利」と言ったところだろうか。特に、こちらがオークの弓使いを得てからは明確に戦いやすくなったデッキである。
メイン戦の考え方
1tに青赤ファストランドを置いてきたら大抵はこのデッキか『死せる生』を考える。青赤猿の場合は1tからクロックを置いてくる可能性が高い。
①ラガバンスタート
②媒介者スタート(だいたいガラクタとセット)
③呪文貫きor火力構え
あたりから対戦が始まる。マリガンが少ないイメージだが、マリガンしても《表現の反復/Expressive Iteration》でアドバンテージを回復してくる。
①や②に対して除去を当てることができれば相当やりやすくなり、そうでなければ苦しい戦いを強いられる。特にラガバンに殴られ続ける展開は、《対抗呪文/Counterspell》等のカウンターを構えやすくなり、パーミッション態勢に入られてしまうので敗着になる。宝物トークンにより滅殺の威力が弱まるのも厳しい。
基本的な考え方は、相手が隙を見せない限りは《呪文貫き/Spell Pierce》をケアすることだ。御霊コンボはカードを2枚以上使うため、たった1マナと1枚で捌かれてしまってはリカバリーできない。
相手目線で考えると、御霊クラガンとのマッチアップでは隙なく《濁浪の執政/Murktide Regent》を唱えるまでには時間が掛かる。そのため、クロックは遅く《呪文貫き/Spell Pierce》をケアできる状況に十分持ちこめるため、なるべくケアしていこう。
また、定番の《思考囲い/Thoughtseize》での前方確認は《不敬な教示者/Profane Tutor》から持ってくることも多いので、黒マナ2つは意識的に確保しておこう。
御霊関係で最後に、昂揚達成した《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon's Rage Channeler》はマストアタックのデメリットを持っていることは忘れないように。ブロッカーを複数体立たせるのは困難なはずなので、除去+御霊グル谷のルートは意外と決まるイメージだ。
さて、青赤猿の強みでありながら、実は隙ができやすいカードが《表現の反復/Expressive Iteration》だ。すごく強いのはみなさんご存じの通りだが、あくまで2マナのソーサリーという事実は無視できない。濁狼が重いということは、このカードも重いことになる。
このカードしか手札を回復する手段がない青赤猿は、タイトになるとしてもこれだけは積極的に唱えてくれる。(実際、1枚も引かれなかったらけっこう凡庸なデッキと化す。)
特に1マナしか残せずに《対抗呪文/Counterspell》の可能性がなくなるパターンが非常に多い。そうなるとクラガンや2マナ浮きの御霊or御霊連打が通せるので、反復をキャストされたときはむしろチャンスだと思おう。
※指輪環境後は《否定の力/Force of Negation》や《緻密/Subtlety》が少し増えているが、ピッチもタダではないので、ピッチスペルは持たれていたら仕方ないと思ってよい。
【メイン戦のつよさ】
クラガン+グル谷ルート…☆☆☆☆
クラガン+エムラルート…☆☆☆☆
御霊+グル谷ルート…☆☆☆
御霊+エムラルート…☆☆☆☆
サーガの有効性…☆☆☆
サイドボード論
ハンデスは最後の前方確認以外は強くないため減らす。ハンデスがなくとも、多種多様な仕掛けができるこちらに対して複数の解答を構えながらクロックを展開することは、よほどマウントをとらない限りはできないのだ。
墓地対策は、初手にあったら相当クロックを遅らせることができる力線はイン。黒ボムは初手にきても弱いので不要。力線が初手にあったらラッキーくらいの感じで、媒介者はピン除去で処理しよう。
そしてサイド後に気をつけるべきは何といっても《激しい叱責/Dress Down》である。サーガのトークンを一掃したり、魂の洞窟経由のクラガンをバニラにしたりする。しかもカードを引けるというのだから意味不明である。
とはいえ、サイドに1~2枚程度のことが多いので、一度使わせてしまえばなかなか二度目を置くことは難しい。少なくとも青赤猿に三度置かれた記憶はない。
クラガンとサーガ、本命でない方を囮に使う、またはハンデスによってなんとかしよう。
(クラガンはバニラとして場に出たら結構強いマッチでもある。特に黒力線を置いている場合は、相手に1枚で除去できるカードがない。)
ちなみに、サイド後の本命は大抵の場合クラガンになる。というのも、《狼狽の嵐/Flusterstorm》等で御霊に関してはオーバーボード気味にケアされるからだ。また、サーガは後引きの《激しい叱責/Dress Down》でも対応されてしまう。《魂の洞窟/Cavern of Souls》を増やしているので、なんとかクラガンシュートを決めよう。
【サイド後のつよさ】
クラガン+グル谷ルート…☆☆☆☆
クラガン+エムラルート…☆☆☆☆
御霊+グル谷ルート…☆☆
御霊+エムラルート…☆☆☆
サーガの有効性…☆☆☆
おわりに
1tラガバンに完走されていた時代はしんどかったが、稲妻をメインから4枚取ることで対応できている。さらにオークの弓使いはマスト除去なため、今まで以上に隙ができやすくなっている。数は減っているとは思うが、当たったときは落ち着いて攻め切ろう。
次回予告
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