たのしい献血のすゝめ

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この記事は はんドンクラブアドベントカレンダー 8日目の記事です。

はじめに

こんにちこんばんは。どみるーです。

突然ですが、皆さんは献血ってしたことありますか?

健康診断の採血ですら嫌ですが…っていう方が多かったりするのかなと思います。やろうとしたけど検査でひっかかってしまったとか、好き好んで刺されにいくのはドMのやることって思う方もいるかもしれません。わたしは刺されるのが好きです。

そんな皆さんへアドベントカレンダーという機会を通じて献血へのイメージを変えられたらなと思います。

わたしはごくふつー医療人の一端であって日本赤十字社となんの関わりもないことを先に断っておきます。

献血ってなに?

読んで字の如し、血を献るのが献血です。手術や治療に必要な血液を健全な人から無償で提供するボランティアです。過去には売血といって患者自身が血を買う時代があったそうです。

では、なぜ献血が必要なのか?

それは血液が人工的に作ることができず、また長期的な保存ができない為、日々輸血等で使われる血液を一定量集める必要があるからです。一応、代替血液っていうのは実用化されているそうですが、今のところ完全な血液の代わりにはならないそうです。今後に期待ですね。

献血の種類

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献血は2種類あり、全血献血成分献血があります。

全血献血は抜いた血液をそのまま保存します。200mlと400mlとどちらかを選べますが、基本的に400mlとなります。200mlは需要が少ないので献血ルームでも実施数が少ないです。理由は後述します。

成分献血は血小板成分献血血漿成分献血の2つがあり、成分採血装置というのを使って、血小板か血漿のどちらかだけを採取し、回復に時間がかかる赤血球を体内に戻すという方法になります。赤血球を体内に戻すため負担が小さく、2週間経てばまた成分献血ができるようになります。

健康管理目的とかで定期的に献血したい人は成分献血をオススメします。毎月献血できますし複数回献血をしてくれる人は大変重宝されます。ただ、成分献血は事前予約しないとベッドに空きがなく出来ないことが多いです。予約という所がネックになるかもしれません。一方、全血献血ならば飛び入りでも断られることはほぼありません。どの血液型もだいたい不足しているので歓迎されます。

ちなみに全血献血は15分くらいで終わりますが、成分献血は1時間ぐらいかかります。

というのも成分献血は血を抜いて成分を抽出、赤血球などを再び体内に戻す作業を繰り返す為どうしても時間がかかってしまいます。(※個人差はあります)

また、全血では一度献血すると男性は12週間、女性は16週間の間隔を空けないと次の献血ができません。そのため女性は年間で2回、男性は3回しかできません。だから献血する人がたくさん必要なんですね。

そして200ml献血の需要が少ない理由ですが、手術等で使われる輸血はそれなりの量が必要になります。血液型が同じと言えど自分のものではない血液が体内に入るのは副作用が生じる可能性があります。(免疫反応で発熱とか発疹がでたりします。)

仮に800mlの輸血が必要になった場合、200mlだと4人分必要となり、400mlだと2人分の血液で済みます。当然少ない人数でまかなわれている方が副作用のリスクは小さくなります。そういうことから200mlはあまり需要がありません。

あとO型の方!O型は緊急時輸血としてどの血液型にも輸血できる為大変重宝されます。是非とも全血献血にご協力ください。またRh(-)の方も大変貴重な血液なので是非とも献血へご協力ください。

レッツ献血!

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どうですか?献血してみたくなってきませんか…? …しませんか。そうですか…(´・ω・`)

よーしやるぞと意気込んでくれた貴方、その気があっても献血ができない場合があります。(クソ)

まずは体重。400mlの全血献血をやる場合は男女ともに50kgないとだめです。女性はここで引っかかる方が多いとかなんとか。

成分献血では男性が45kg以上、女性は40kg以上です。基準がゆるくなりましたね。体重は自己申告なので多少サバ読んでもおそらくわかりません。基本的に献血ルームで量ることはないので。

あとは健康じゃない方はごめんなさい。糖尿病とかはだめですね…。高血圧に関しては降圧剤は飲んでても献血OKなのでいけたりします。

実際の献血ルームでの流れとしては受付→質問の回答→問診→検査採血→本採血となります。

質問の回答ではHIV検査目的じゃないですとか、服薬の中身とかを答えます。意外と飲んでても大丈夫な薬は多かったりしますが、内服中の方は事前に確認しておくのがベターです。

問診を経て、検査採血です。全血献血の検査採血が最近変わったようで、指先穿刺という少量の血液を採る方法に変わったそうです。これもまた医療の進歩ですね。

しかし成分献血は変わらずしっかり抜かれます。末梢血液一般の検査になりますので2mlぐらいでしょうか。ここではヘモグロビン量を見ています。これが少ないと献血できませんのでジュース飲んでまた来てねとなります。ここでもまた女性の方はひっかかることが多いそうです。貧血気味な方が多いとか。

ここまでクリアしたらいよいよ本採血!

針をブスっと刺して血を抜いていきます。この血が抜かれる瞬間が気持ちいいんですよね…。

献血に使われる採血針は18G(ゲージ)と言われる非常に太い針が使われます。これは血液の成分を壊さずに採る必要があるからです。ちなみに一般的な採血針のサイズは21~23Gとなります。数字が小さくなるほど太くなります。

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参考までにこんな感じです。針穴が見えるの怖いですよね…。(画像はテルモより)

針の太さと痛みの強さは比例しないと以前どこかで見かけたのですが、ソースが確認できませんでした。一般的に太い針の方が細い針より痛みを感じます。というのも18Gの採血針は1.2mmもあるため痛点を避けることが難しいためです。また、細い針は細い針で痛みこそは少ないけども採血や薬液の注入に時間がかかるのが難点です。

どうでもいい豆知識ですが、インフルエンザの予防接種が痛いのは皮下に注入された薬液がすぐに吸収されず留まるからです。穿刺自体は針が細いのでそこまで痛くないと思います。

先にも述べたように全血献血は割とあっという間に終わります。寒かったり血の引きが悪いと時間がかかりますが誤差でしょう。

成分献血は個人差があり、45分~1時間とムラがあるそうです。私はいっつも1時間を超えます。早い人は50分ぐらいで終わるらしいのですが、事前に水分をとったり、献血中にも飲み物が渡されるので採血前にお手洗いに行っておかないと大変なことになります。(2敗)

途中で辞めてしまうとせっかくの血液も無駄になってしまうのでホントに気をつけましょう。

採血が終わったらしっかりと水分をとって少し休んでから帰ります。場所によってはアイスも食べられるそうな…。粗品も貰えます。個人的には洗剤系をもらえると嬉しい。

なお、複数回献血をしている人は10回,30回,50回,100回で記念品が貰えます。是非頑張ってみてください。わたしはもうすぐ50回。

献血後の注意事項ですが、お手洗いは必ず座尿でしましょう。これは献血を終わったら必ず案内されます。

採血後はVVR(血管迷走神経反射)と呼ばれる症状が出やすいです。採血時にも起こる方がいますが、放尿時に圧が下がることで目眩が起こることがあるそうで、目眩からの転倒で怪我をした事例が報告されています。

あと絶対に走っちゃだめ。目の前が真っ暗になるのはポケモンだけにしましょう。(1敗)

終わりに

いかがでしたか?ホントは骨髄ドナーのことを書こうかなって思ってたりもしてたんですけど、はてなのID分かんなくてログインできなくなったので諦めました。ごめんね。

ボランティアなんて馬鹿馬鹿しいと思う人もいるかもしれませんが、ノブレス・オブリージュの精神で人助けをすることは悪いことではないと思います。やらない善よりやる偽善とはよく言ったものです。

さらに興味がある方は骨髄ドナーにも登録してみてください。少しハードルは上がりますが、献血とは違って特定の人に自分が必要とされていることを実感できます。我が身が顔も知らない誰かの為になるんですよ。なかなか感慨深いものがあります。

骨髄ドナーに関しては家族の同意も無ければいけませんし、私も実際にやる時に母親に「見ず知らずの人の為にリスクを負う理由が分からない」って反対されました。ここの理解を得るのはとても難しいと思います。血の繋がった肉親ですら分かり合えません。(最後は消極的同意ということで印を押してもらいました。未だに理解は得られていません。)

献血自体は知ってはいましたが、医療界に勤めていなければ見向きもしなかったでしょう。献血の重要性と血液の保険点数の高さを知ったからこそやり始めたところがあります。血なんてほっといてもできますから少しぐらい分け与えたって平気なんです。良い行いは巡り巡って返ってくると思います。

来世は女性声優になりたい人には特にオススメします。人助けをして現世でたくさん徳を積みましょう。骨髄ドナーしたらそりゃもう来世はつよくてニューゲーム間違いなしです。

これをきっかけに献血する人が増えたら良いなと思います。現在はコロナウイルスのせいで献血が減っており現場も苦しいとの話も聞きますので何卒宜しくお願いします。詳しくは日本赤十字社のHPを御覧ください↓

http://www.jrc.or.jp/donation/first/index.html


以上になります。長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

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