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問いかけの妙

少し憂鬱そうな顔をした患者のJさん
「何でやろ何が原因やろ」
症状の原因探しからいつも話しがはじまる。
「そうやね一体何でやろうね」
「そや、先生、あの病院に検査いってみようかと思うわ」
「Jさんもうそれ3件目やで、ドクターはみな問題ないっていってるけど」
「うーん何が原因やろあのときの事故のせいかぶつぶつ」
もちろん症状にうまく原因(病名)がわかって安心して症状が好転してゆく事もたくさんあるがJさんの場合はどこかグルグルと同じところをまわってどんどん絡まっていってるような印象をうける。
いっそ原因探しは休憩して、どうすれば楽になるかを一緒に考えるほうが結果的には良いかもしれない。
そのような方法や考えとして問題解決アプローチというのがある
過去の原因さがしは置いておいて、まず
自分がどうなりたいか、そのためには何ができるのかというモードにかえてみるのだ。

「Jさんの問題はどないなったら解決なん?」
「・・・」
Jさんは考える
そして呟く
「いつかこんな状況を笑えるような日が来てくれることやな」
私「!」
視点が過去ではなく未来にクルッとひっくり返ったのに驚きつつ
「Jさんっ解決した自分のイメージが浮かんでいる事はとても大切な事ですよ」
「そうかな〜」
Jさんは怪訝な顔をされるが、不毛な犯人さがし、因果論ではなく、より良い状態の自分をイメージしてそこに足りないものを考えていける事はもう問題解決の一歩を踏み出してるといえるのである。
それにしても
問いかけには妙があるものである。





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