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真ん中から

からだがだるい、気力がない、疲れやすいと

なると、それは気が不足している「気虚」と

いう証にあてはまる。

もちろん心も体も含めてだ。

寺澤捷年さんは著書「和漢診療学」で

代表的な漢方処方として補中益気湯、六君

子湯、人参湯、小建中湯をあげている。

補中や建中という漢字、中というのは真ん中

のことで、真ん中を補う、建て直すという意味だ。

真ん中というのは胃と考えてもらっていいと思う。

胃の気(猪木ではない)が元気の源であるからだ。

食べたり飲んだりしたものからもらうエネル

ギーで私達は活動できる。

真ん中の気とは

胃そのものというより、食べる意欲や消化吸

収する力、機能全体を指していう。

高齢化社会のなかで嚥下や飲み込む力がど

れほど大切な機能かは容易に想像できるだろう。

ところで

中脘という「中」の字が入った経穴があり

お腹のみぞおちとお臍のちょうど真ん中くらいにある。

ここと足三里などにお灸をすることも補中や

建中につながるといえる。

もっといえば腹巻きやお腹を温める、冷たい

ものを避けて温かいものを飲食することも補

中や建中だ。

右でも左でもなく、上でも下でもなく、表で

も裏でもなく

真ん中から温めて、気を補うことが全身を元

気することにつながる。

バラバラに局所を狙うよりも大変効率よく

これこそ東洋医学の王道なのだ。













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