ゆるく旅をする
先日、『引きこもりバックパッカー:マイペースにゆるく海外を旅する思考法』という本をKindleにて出版しました。期間限定で1節毎無料公開しています。
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日本に居場所がないなら海外を旅すればいい。「海外に興味があるけどハードルを感じている」「これまでと違った景色をみたい人」「引きこもりがちな人」
そんな人たちがこれまでよりも旅が身近になるような、マイペースなゆるい旅とは? 海外旅に興味がある人、引きこもり生活に飽きた人、新しい自分に出会いたい人、必読。”引きこもりながら”海外を旅してきた筆者が提唱する、脱力系バックパッカー論。
りょいち 1997年生まれ。東京都出身。同じFラン大学に2度落ち、行ける大学がなくなる。約3年間の引きこもりの後、中学英語もわからない中、初海外で所持金6万円とバックパック1つ単身でジョージアへ。それがきっかけでそのまま4ヶ月間で計15ヶ国を旅した後、ワーホリビザで2ヶ月間オーストラリアへ。帰国後はインターンを経た後、ベンチャー企業でフリーランスとして活動しつつ、自身でIT企業を起業。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
年金で世界を旅する西成在住68歳
アルメニアで出会った68歳のおじいちゃんがいました。彼は、西成のドヤ街にて年金をもらいながら、バッグ1つで海外を旅していました。
西成とは、大阪にある日雇い労働者や安宿が多くある街で、路上生活者も多く存在する異様な空気が漂う街です。ぼくも東京からヒッチハイクで西成に行ったことがありますが、乗せてくれた人全員に「西成だけはやめとけ」「大阪の人でも足を踏み入れない」など言われました。
実際に行ってみても、都会から出てきた身としては異様な空気感がありました。そこに住む68歳のおじいちゃんが一人で冬の寒いアルメニアにいたのです。彼はこれまで144ヶ国もの国を旅したらしく、1年の半分は海外を旅しています。日本よりも物価の安い国で生活しているので、海外にいる間に年金が貯まるという仕組みのようです。
日本で働いて海外で生活
海外に行くことで日本人であることがいかに恵まれているか実感します。日本のパスポートは世界的に信頼度が高いのでビザがなくても行ける国は多いですし、ぼくたち日本人は大学生でもバイト代で海外に行くことができます。
しかし他の国では、バイト代で海外に行くことなんかとてもできない状況だったりします。日本人というだけで、他の国の人達よりも安く海外を体験できることを考えると、そのパスポートを使わないのはもったいない行為とさえ思えてきます。
ぼくたちは凄く恵まれていて、物価が低く暮らしやすい国でのんびりと暮らし、お金がなくなったら日本に出稼ぎに行くという、夢のようなこともできます。日本ならニートや引きこもりも、海外では一般人になれるので、海外では、日本よりも他人の目を気にせず頑張らない自分を貫くことができます。
ひとり旅はとにかく自由
普通に生活しているだけでも、オンライン・オフライン問わず色んな情報が多く、振り回されることもあるかと思います。朝電車に乗れば満員電車、会社や学校では気を使って生活したり、日本は消耗するように感じます。
しかし海外の一人旅はとにかく自由です。団体旅行の場合はツアーガイドの指示に従って行動する必要がありますが、一人旅だとすべて自分で調べたり行動する必要があります。一人旅では自分が意思決定できるので、行きたい場所に行けますし、少しでも嫌だと思えばそこを離れても誰に文句を言われるわけでもありません。
海外は自由な人が多いのでバックパッカーたちもその辺割り切ってるわけです。日本人が恋しくなったらゲストハウスに行って交流し、一人になりたくなったらそこを出るような旅もできます。
ひとり旅はとにかく自由で、何をしてようが誰も干渉してきません。ぼく自身も旅の大半は宿で引きこもってユーチューブをみてゴロゴロしていることが多かったです。たまに日本人バックパッカーと出会うと「なんで旅しているの?」と聞かれることがありましたが、様々な旅の効用を期待しつつも人に胸を張って言えるような一つの目的みたいなものはありません。
きっとなんの経験もないぼくにとって、海外に行くこと自体に意味があったのだと思います。場当たり的で首尾一貫しない生き方ですが、その中でどのように生きていくかを模索しながら漂流し続けていました。
特定の滞在目的がないので、毎日やらなきゃいけないことは1つもありませんが、飯食ってスマホいじってるだけでも、生きてるだけで忙しいものです。物価の安い国に行けば、しかし、閉鎖空間で鬱々と過ごすだけでなく、街に繰り出して遊んだり、引きこもって考え事をするなど、取りとめのないことに時間を費やすことも可能です。
息の詰まるような日本社会から離れて、ゆるい生活でもいいんです。異国の地で食事をしたり、バスに乗ったり、スーパーに行く、他の旅人と話す、というような旅の日常のすべてが底抜けにオモシロイんです。旅をしている時は、あらゆる社会の制約や「何かしなきゃ」という脅迫観念から解き放たれて自分の意志だけで自由自在にふるまえます。
海外で自由に生きてきたことで様々な価値観から解放されましたが、自由は何をやっても自由なのでかえって不自由にさせてしまうこともあります。凧も糸に繋がれているから自由に空を遊泳できますが、糸が切れれば風に翻弄されるだけです。人の生き方に正解も不正解もないので、資本主義とは距離をおいて風に翻弄されるだけのゆるい生き方でも、きっとそれでもいいんです。
そうしてなんだかんだ引きこもりつつも、たまに出くわすハプニングに乗っかると良い経験もできました。旅の大半は引きこもっていたくらいなので、ぼくはゆるい旅が大好きです。有名所の観光地を見ることに忙しくなる必要もなく、旅に出ても何もしなくてもいいんです。
観光地をめぐることだけが旅ではありません。何の目的もなくても、各地を漂白する旅でもいい。旅にプレッシャーを感じる必要もありません。自分のペースでゆるく旅をしていいんです。
新たな引きこもり先を開拓する
前述したようにぼくは海外でも引きこもってゆるく旅していましたが、以前のように自分の殻に閉じこもって人との交流を断絶することはなくなりました。見知らぬ海外の土地に足を踏み入れたことで、少しずつ外に出るようになりました。
過去に実家を離れておよそ2・5畳ほどの冷房なしの部屋で生活したことがありましたが、真夏でも関係なしに引きこもっていましたし、アルメニアでも2週間ほど同じゲストハウスで沈没していたこともありました。
その反面、綺麗なゲストハウスでも同じ部屋の人がうるさかったり安心できないと外に逃げたしたりもしました。海外に行って改めて気づかされましたが、居心地が良くないと引きこもりはできません。
異国の地でもきっと居心地のいい空間はあるはずです。そこで心を休めていると、お金や地位などなくても、人の顔色を伺わなくても楽しく幸せに生きていける気もします。
引きこもりバックパッカー生活を通して気持ちを一度リセットし、新たに活力を得ることもできます。いきなり自転車で日本一周しろだとか、無一文で世界一周してみろなどと言いたいのではなく、新たな引きこもり先を開拓してみるくらいの気持で今いる場所から移動してみればいいのです。
引きこもりながら海外を旅する場合ならハードルは下がりますし、きっとこれが現状を打破するきっかけになりうるとも思います。
旅をして自分の知らない世界を知ることで、引きこもりがもっと楽しくなります。旅は自分自身のことを教えてくれます。自分が根ざしている日本社会に埋没せず、自分を見失わずに日本を生きていくための手段にもなります。
旅をするのは、自分自身を見失わないためなのかもしれません。ハードルの高い旅ではなく、マイペースにゆるく旅したい方、仕事を辞めて何をしたらいいのかわからなくなっている方、引きこもり生活に限界を感じているひとには引きこもりバックパッカーはオススメです。
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次回は第3章「半歩踏み出す」を無料公開します。
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