見出し画像

WEST SIDE STORY

映画 ウエストサイドストーリー


誰の感想も見ないうちに
自分の目で見て感想を言葉にしたいと思って、
2月11日公開初日に見てきました。

見た直後のまとまりのない文章です。

ーーーーー

心が、奥底から抉り取られるように動いた3時間だった。


始まりは工事現場から。

現代的でスピルバーグらしい(あんまりスピルバーグ監督の作品見てないけど)カットの撮り方。


ジェッツは働いていた。


プロローグ。

あの、あのスナップ。

そう!これ!!これがウエストサイドストーリー!!!

街中から仲間を集め、ストリートの真ん中に躍り出る。

振付はすごくクラシック。

音楽は弦楽器のダイナミズムが増していたような気がする。

ウエストサイドストーリーといえばのシャークスの足上げはなかったな

喧嘩のシーンが痛々しすぎて

途中少し見ていられなかった

野郎どもの喧嘩じゃない

自分たちのテリトリー、居場所を守るための戦い。

テリトリー争いは、子どものごっこ遊びじゃない。

種を守るための争い

本能的なテリトリーの意義を感じた

人間という動物の一種が持つ、本能。

共存がない世界。


もしかしたら、この物語は、

共存へ向かう物語なのかもしれないと思った

でも、愛も、本能。

人間という大きなkindの中の、

人種という小さなkind。


どちらにも愛はあって、愛は本能だから

自分の属するkindがどこまで広いか

それだけの違いなんだと思う


ベルナルドがトニーに殺されたあとに

アニタがマリアの愛を受け止めたのは


kindの境界線が一瞬消えたからだと思う

本能の愛という一部を理解できたから

ただそれだけにすぎない


私には、マリアの言動が
アニタにとってあまりにも深い傷をつけすぎていると感じられたけれど。


Prologue

Mambo

America

Cool…


内容よりも

ただただ圧巻で涙があふれたナンバーたち。

何なんだろうね、これは

感動とかそんな言葉じゃない

音の響きに首の後ろがゾワッと震えて

動きのSoulfulさに頭がガンガン鳴って

リズムに胸の奥が暴れだして

手足は興奮で今にも動かしたい

座っていられなくなる。



歴史は、どうしてこんなに前に進むのが遅いんだろう。

ドクの店の店主は、ヴァレンチーノ。

ドクの奥さん。

ウエストサイドストーリーのもっと前の時代に

プエルトリコ系でありながら、

ポーランド系と結婚した人。

トニーを世話し

ジェッツを匿い

アニタを救い

チノの肩を支えた。

マンハッタンで生きてきた彼女だから。


そう、彼女はもう61年マンハッタンで生きている

今回の映画のヴァレンチーノを演じているのは

ウエストサイドストーリー初演でアニタを演じた

リタモレノさん。


このことは、エンドロールでやっと気づいたのだけど

Valentino Rita Moreno

の文字が見えた瞬間、鳥肌が止まらなかった

だから、ドクじゃなく

そのパートナーであるヴァレンティーノだったんだ。

この作品が作られた時から

時代はほんの少ししか動いていない

一昨年のBLMを思い出していた。

人間がすべての人間を同じkindだと

心から受け入れられるまで

この作品は上演され続けなければならない

そう思った。


差別は何があろうと肯定されるべきじゃない

だけどそれは古来の動物としての人間が持つ性質には

ほんの少し反しているのかもしれない


世界は、kindの輪を広げる方向に動いている。

それがひとつになるための道だと気づいたから。





ーーーーー


私がミュージカルを好きなのは

ここが理由。

分かっているけれど

生活の中で忘れてしまうこと、

後回しにしてしまうこと

でも本当に大切なこと。

それを伝えるもの。

喜びも悲しみも葛藤も怒りも

すべて舞台の上でひっくるめて届ける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?