Leina Muramatsu

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Leina Muramatsu

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最近の記事

回文/世のいなくなれ

「世のいなくなれ」もしたわ  私、もれなく無いのよ → よのいなくなれも、したわ わたしも「れなくないのよ」 ←

    • 米を炊いていれば大丈夫

      「とにかくね、これだけは覚えておいてください 心がどうしようもなくなった時はご飯を炊いてください」 大学に入学してはじめましての挨拶くらいのタイミングで油絵学科のM先生が言っていたこと。 いきなり、精神的にどうしようもなくなった時の究極の方法みたいなことを静かに話し始めて、内容があまりに唐突で、具体的なアドバイスだったので覚えている。 「もう駄目だって思ったら米を炊け」と教授が大真面目に言っているのだから。 「皆さん地元から出てきて、一人暮らししてね、まだ若いし悩むことも

      • パレットに逃す

        エトワール 星を見る少年 視線を伸ばした先は一番星 なりたいものは決まってるんだね 分からない事なんて無いみたいな顔して すべてお見通し ぐらつく心臓 滲むよトルソー さよなら あなたは優しい人 期待が膨らませた気球 乗ったら大気圏が背中を押した 星に向かって跳ぼう エトワール 星を掴んで踊れ エトワール 飛び乗ってコメット 悲しみは見せないで 望遠鏡のトンネル抜けて 少女が瞳に落ちてきたよ どうか目を離さないでいて ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

        • デジャブを引き留める -ミレ-⑴

          さぁさ私は私の生活をゆっくり落ち着いて進めるのだ。 工場を抜け出し、宇宙エレベーターで急降下、回り道して家に帰ろう。 自販機で百円の缶ミルクを買い、玄関のオジギソウに全部お辞儀させたら、黒いカーテンを閉じる。 そんなわけで平日まだ日が暮れていないのに部屋にいる。 ミレは家のソファーで古びた毛糸のセーターに着替えると今日あったことを考えながら久しぶりに幸福な気持ちで薄い水色のミルクを琥珀のお酒に入れて飲み干した。 あの流星のように尾をひきながら走るデジャブを最初に見かけたのは

        回文/世のいなくなれ

          回文/行かせて世界 

          雪で否みし霞を、逆光の 行かせて世界  納骨ヤギを見透かし、見ないで消ゆ → ゆきでいなみ、しかすみをぎやつこうの いかせてせかい のうこつやぎ、をみすかしみないできゆ ←

          回文/行かせて世界 

          回文/過度のミルク

          過度のミルクを包み のどか → かどの みるくをくるみのどか ←

          回文/過度のミルク

          回文/冬至ランプ

          冬至ランプ、7分ラジオと → とおじらんぷ、 ななぷんらじおと ←

          回文/冬至ランプ

          どこに

          昔々10年以内の昔、美大ホールの裏の楽屋のような部屋に古い古いアップライトピアノが置いてあったのです。 調律は長いことされないまま放置され、チューナーで音を調べると全てのキーが少し高くて、鍵盤は軽くて黄色く、こんな綺麗な音のピアノが存在するのか。 警備員のおじいさんに鍵を借りては夜な夜な弾きに行き「あなたは顔パスだよ」と言って立ち入り禁止期間に内緒で入れてくれた時もあった。深夜2時だろうが3時だろうが早朝だろうが鍵を貸りに行き、今思えばこのピアノで遊んでいたのは本当に贅沢な時間だったと思う。 ピアノを習っていた頃の曲は何も弾けない、ひとつも覚えていない。 一番好きだった時間は先生が次はこの曲だからねとお手本で弾いてくれるのを隣で座って聴いている時。 楽譜を読んで弾くのが苦手で、いくつになっても人差し指を当ててドレミを数えていました。 あの頃は楽譜通り弾くのに必死で、それが苦痛、ピアノの音そのものを楽しむことが出来ていなかったように思う。 真面目にコツコツ練習していないし、ピアノが好きだなんて口が裂けても言えない訳で。 只々音を鳴らし戯れ、耳を澄ませ それが楽しいくて好きなのだけど…それでもいいでしょうか? 「うん、いいよ!」 自分を許せたのは楽譜を置かずにこのピアノを弾いた時。 それが始まり始まり、

          回文/来てこの絵

          来てこの絵、 魔女トコトコさ歩く  翌る朝コトコト四時前の鼓笛 → きてこのえ まじょとことこさあるく あくるあさことことよじまえのこてき ←

          回文/来てこの絵

          回文/「ノア」

          あのね、 箱のこのままの子はね 「ノア」 → あのね はこのこのままのこはね のあ ←

          回文/「ノア」

          回文/ヨタカ犬

          ヨタカ犬の毛はいいよ いい刷毛の縫いかたよ → よたかいぬのけはいいよ いいはけのぬいかたよ ←

          回文/ヨタカ犬

          回文 / ダイアのクワトロ

          ダイアのクワトロ 炉と枠のあいだ → だいあのくわとろ ろとわくのあいだ ←

          回文 / ダイアのクワトロ

          回文 / 最果ての子ども

          最果ての子ども 美濃来て予想はない 名は嘘よ 敵のみも どこの手配さ → さいはてのこど もみのきて よそうはな いなはうそよてきのみ もどこのてはいさ ←

          回文 / 最果ての子ども

          コードが無い唄 「コチラとカエリ」

          コチラとカエリ じゃあね「コチラ」は帰る ここにいいる僕は誰なの アチラに行ったならアチラもコチラであった そこに果てはあるのだろか 道はまだ続く どこ行こうと そして「カエリ」は思う あなたを守って生きていこう 「コチラ」は弱虫で 私が手をひき歩く そこに果てはあるのかしら 道はまだ続く どこ行こうと

          コードが無い唄 「コチラとカエリ」

          コードが無い唄 「宛名」

          宛名 レモンの花が何色だったか おぼえてますか 書き初めはぎこちなく 文字は淀んでる 送る意味なんてないから  紙の上 ゆらり 影落とす この花見ると酸っぱくなるの 名前を見ても思い出せないの 行きたい場所(とこ)は 誰もいない でも誰かいるところ 寂しいからここに居てと 一度でも言ってみたかったな 名前を見ると酸っぱくなるの 手紙を見ても思い出せないの 今はない6畳のガーデン  一人育ててた 手紙を見ると 酸っぱくなるの 宛名を見ても 思い出さないの レモン

          コードが無い唄 「宛名」

          いらないけど、絶対いるんだよ…!

          自分や人が作った作品の所在について謎の負担を感じることってありませんか。 私は過去に作ったものを片付けているときに、出てきた自分の絵や撮影で使った人形とかを見ながら、美術館に行って展示されてる作品、建築や遺跡を見ながら、原因不明の心の負担と虚しさに襲われる時があります。 これは制作と向き合うようになってから時折訪れる感覚であり、今だ解消できない負の感情です。 大事に作品を作っていたはずなのに、埃が積もっていくそれらが重荷に感じて、そう思ってしまう感情に虚しさを覚える。 あま

          いらないけど、絶対いるんだよ…!