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240104 デレンコ・デレンコ

 行ったことのないところへバスで行き、初めての人たち10人で話した。お仲間の一人が帰りに鉄道の駅まで軽自動車で送ってくれて、そのあと3つ4つ先の駅まで行き、ぐるっと歩いてまた電車に乗って帰途についた。
 もうその頃には日が暮れて、だんだん寒くなってきていて手袋を持たずに出たことをわたしは悔やんだ。家のドアを開けたらメガネがぼわっと曇り、何も見えず。

 食卓に寄せ鍋。

 「よくできたダンナ」と他人は言う。そんなものは、よく知らない人の一般的な解に過ぎない。わたしは鍋がそれほど好きではなく、むしろ苦手だ。そのことを知っていながら、寒いから鍋にしようと思い立ち妻の好みを無視してあえて用意したのが夫である。
 もうわざわざ口に出して言ったりはしないが心の中ではふてくされる。食後、パソコンを開ける気が失せ、今夜のうちに、と思っていたメールの返信ができなくなる。
 デレンコ・デレンコ。

 録画リストの中から、「365日の献立日記」の年始スペシャルを選んで見始める。いつの間にか夫もいっしょに観ている。
「この番組はレシピはないの?」「ホームページを見たら載ってるかな?」「いまさっとかけたのは何の汁だろう?」
 わたしは飯島奈美さんの丁寧な手つきにほれぼれと見入っているのに、あーだこーだとアンタほんと、うるさい! 

 レシピはなくて良いのです。デレンコ・デレンコ。

https://www.nhk.jp/p/ts/DGZMN8GNRZ/episode/te/XLM7P5KMLP/


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