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X-T30からX-S10へ、似て非なるものへの機種変

ずっとマイクロフォーサーズを使ってた僕が富士フィルムのX-T30を買ったのが一昨年の秋。ずっと人のために写真を撮っていたけれども、もっとゆっくり楽しみたいなと思って、富士の色に惹かれてマウントを変えてしまった。当初は色々な違いに戸惑ってはいたものの、そこまで致命的なものではなく色々撮っていたんだけど、それでも如何ともし難かったのが手振れ。

それまで使ってたLUMIX GX7MK3はそれほど強力ではないにせよ5軸のボディ内手ぶれ補正が入っていて、必要十分に機能してくれていた。自分は単焦点大好き人間なのでレンズには手振れ補正は入っていない。昔はそれでも明るいレンズでシャッター速度を稼ぎ、ちゃんとホールドすることで暗いところでもそれなりに撮っていたのだが、技術の進化というのはこうも人を堕落させるものであるかと、思い知らされることとなったわけです。

X-T30を購入してから1年、その前に上級機であるX-T4が手振れ補正付きで登場したので、ミドルレンジのおそらくX-T40になるであろう機種にも入れてくるんだろうなぁと思っていたところ、待望のボディ内手振れ補正が付きで出てきたのはX-S10という今までの路線にはなかったライン。X-T4よりは小さいけどX-T30ほどは小さくない、何より大きなグリップ。ダイヤル類はまとめられ、今までなかったモードダイヤルがついて、まぁ良く言えば今風に悪く言えば他社と変わらない形。センサーとかは変更なく基本的な性能はX-T30を継承してるのかなといった印象。

まぁ流石にまだ1年しか使ってないし、手振れ補正は欲しいけど言ってしまえばそれだけのために買い換えるのはなーと、当初は思っていました。普通はそうだ。大体コロナであまり撮影自体してなかったし。さすがになーと思っていたけど、そんななか中望遠のレンズ欲しい病を発症してしまい、流石にこの領域だと手振れ補正は欲しい、どうしよう、いっそマイクロフォーサーズでそういうレンズを買って、などと思考実験をしているうちに、X-T30を下取りに出してX-S10を買うとどうなるかと計算したら大体5万円(キットレンズ込みの売値7万でボディのみ買値12万)、手振れ補正代に5万円はどうよ、どう考えてもたけーだろ、大体レンズはどうするんだよ、でもこのX-T30が7万で売れるってのは予想以上、毎回PCの前で手振れでガックシくるくらいなら買ってしまうかー。(あれ、中望遠は?)

と思って買ってしまいましたX-S10。富士なのにこの軍艦部はどうなんだと思ってたけど、正直シャッター速度のダイヤルなんてほっとんど使ってなかったし、頻繁に露出補正する身としては硬い露出補正ダイヤルなんてCからずれた時にイラッとする機能でしかなかったし、チルトがバリアングルになったのは多用してたので少し残念だったけど、ないわけじゃないのでそこまで困らない、むしろ縦の時は便利。てなわけで実用上はほとんど関係がなかった。

好印象だったのはグリップの深さ、これはとても良かった。少し大きいレンズでも問題ないし、移動する時もしっかり持てるので安心できる。これを機に普通のストラップからハンドストラップに変えてみたけど、それとの相性もとてもよい。あと左のダイヤルが血迷ってフィルムシミュレーション専用ダイヤルになってるけど、富士を使う意味の結構な部分をフィルムシミュレーションが占めてたりするので、思い切ったと思うが大正解だと思う、なかなか楽しい。QボタンやISOボタンが軍幹部に来たのも良い点と思う、以前Qボタンなんて全然使ってなかったのに使うようになった。

X-T30ではなんでこうなってるんだろうって思ってた謎ポイントも地味に改善していたりする、例えばスマホとWi-Fiで接続する時に、なぜかカメラのOKボタンを2回押さなくてはいけかった、接続していいですか?って1回聞くならはまだわかる、なぜ2回聞くんだよOKって言ってんだろ。これがなんと1回も押さずに接続されるようになった。できるなら最初からやれよって話だが、悪い子が校正すると評価されるのと同じでなぜかすごく便利になったと感じてしまう。他にはオートISOの最高がなぜか3200までだったのが、もっと高いISOでも設定できるようになった。いや、ノイズのるよ?そりゃ、でも使いたい時もあるんだよ、って部分がちゃんと設定できるようになって、さらに3種類のオートで使い分けられるようになった。これも悪い子が校正すると案件である。

地味に変な部分は残っていてツッコミを入れたくなるんだが、まぁそこは自分が使っている範囲でなければ関係はない。「操作ボタン・ダイヤル設定」ってメニューに書いてあるのにダイヤルのカスタムが一切できないのはどうなんだって思ったけども。あとはシャッターボタンの感触も気に入らない、慣れたけど。

しかし手振れ補正は最高でありますな、中望遠でも暗いところでも問題なし。こうして技術に溺れていくわけです。写真なんて楽しく撮ってなんぼなんだからいいんだよ細かいことは。差額5万円の価値は自分にはあったと思っている、だって写真撮りに行く回数すごい増えてるもの。なぜかレンズも増えてるもの・・。これなら富士でいけるなって思ったカメラでありました。がんばれマイクロフォーサーズ。あれ、そんな話だっけか。

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