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網膜色素変性症の日常生活

この記事は最近説明しなきゃいけない機会が増えてきたので、半分自分用のメモ
48歳男性既婚、子供は無し、職業は小規模システム開発、趣味はゲームとカメラとプラモデル
病名は網膜色素変性症で症状は視野狭窄、夜盲、羞明、身体障害者手帳3級

病気について

網膜色素変性症と診断されたのは30代の半ばくらいだったと思う、まったく違う目的で眼底検査をしたら見つかった、その時点で視野の半分くらいは失ってたと思う、特に上の方は全滅だった。
この病気は色々な経過を辿る人がいるけど、自分の場合は一番多いタイプで、真ん中は見えていてドーナツ状に視野が欠けていく。実は僕も一番端はまだ少し見えている。人間の脳はすごいもんで見えてないところを補完してしてまうから、自分で気付くレベルになるとかなり進んでいることが多い。
現在でも抜本的な治療法がない国指定の難病で、病状が進むと失明するが、進行がゆっくりなので死ぬまで見えている人も結構多いです。

視野狭窄の見え方

視野狭窄の見え方は一番理解しづらい部分、見えてないところがどうなっているかの想像ができないのは当然だと思う。誰でも後ろが見えないと思うけど、同じことが前面でも起きてるという感じ。感覚自体がないのでその部分は無です。勘違いされやすいけど黒く見えない部分が出てくるわけではない。僕の場合は端が微かに見えてるのでそこの光は感じます、では途中は・・・?無かな・・・
感覚的な部分は理解しづらいと思うけど、見える部分だけをいうならカメラのファインダーを覗いた状態に近いです。とにかく上下左右が狭いですが中心は見えているのであまり生活には困らないです。

日常生活について困ること

日常生活は、家にいる限りはほとんど困っていないです。実は真ん中が見えていれば特に支障はないんです。困るのは不意に物が置いてあると蹴飛ばす、低いところに頭をぶつける、落としたものがなかなか見つからない、くらいなもの。
一番怖いのは外の人混み、横から歩いている人はそちらを向かない限り見えないので、特に駅などはなかなか歩きづらい。気をつけていても人に当たってしまうのはしばしばある。視野が狭いと遠くは見渡せるけど近くの状況はわかりづらくなります、車を運転していると死角も多いし近くの物が見えないって感覚に似てます。人とすれ違うとき、歩いてくるのはわかりますがすれ違う瞬間は見えてないのでどのくらい近づいているかがわかりません、当たらないようにすり抜けるとかは結構難しいです。距離が近いと全体ではなく一部で捉えているので、人物は把握できても持ってる荷物とか見えていないことが多いです。
暗いところも怖いです、慣れれば真ん中は見えるけど視野狭窄が一層進む感じがあります。慣れるまでの時間も長い気がしています。東京は明るくて助かりますが、不意に暗くなる場所は辛いですね。屋内が暗いのも結構困ります、ムードのある店とかちょっと怖いんですよね。
主に困るのはそんなところかな

白杖について

白杖は一応持っていますが使っていません。これはなかなか難しい問題で、まず一般認識として白杖は全く目が見えていない人が持っているものというbのがあります。自分のような人間は視覚障害であることを知らせるための白杖(シンボルケーン)となるのですが、これはあまり浸透してるとは言い難いです。白杖をもっているのに見えているとなんで持ってるの?って見られますし、まだ現状は持ってなくてもあまり問題は出ないわけですから。人混みとかではシンボルとして持っていた方がいいんでしょうけどね・・・
ヘルプマークとかも考えたんですが、避けてもらいたいだけで補助してもらいたいわけじゃないんですよね、別に席譲られなくていいですし。難しいところです。

車、自転車について

これに関しては最初のお医者さんから運転するのは止めるように言われました。運転できないという意味ではなく、他の人を巻き込んだ時に取り返しがつかないことになり得るからです。東京に住んでいるので特に問題はないので、それから一切車の運転も自転車にも乗っていません。
今は病状が進んだので運転はちょっと辛いですね、歩いていてもヒヤリハットは日常茶飯事なので運転なんてとてもとてもです。
ただ地方在住の人はそうはいかないって方も多いでしょうね。

仕事について

自分はパソコンでプログラムを作るのが主な仕事なので、幸いにも仕事に関してはほとんど影響なく、テレワークもしやすい分野なのでほぼ家で仕事ができています。収入も特に問題ないのは幸いですが、問題ないので障害福祉系の助成金などの所得制限に引っ掛かります。ハンデがあるのは事実なんですけどね・・・

障害福祉について

身体障害者手帳

身体障害者手帳取り3級になりました、視覚障害は5級まであるので今までも申請すれば取れたんでしょうけど、所得も普通にありましたし問題なかった。これを取るというのは障害者として生きていくことを決意するってことでもあるので取るのを躊躇する人も多いと聞きます。
自分の場合はそろそろ老後を見据えないといけないのと、インボイス制度やらの税制改革の影響で個人的には大増税になるので防御の意味もありました。
特典は各種サービスの割引、交通費の減額、所得税の障害者控除などなど、いろんなところで使えるので大変感謝しています。公的なところは大体無料になります。映画や美術展も割引になりますし、見えるうちに見ておこう。
交通費(電車)の割引は1種と2種で分かれてますが、自分は重い方の1種で介助者も基本半額になります。これは裏を返せば1人で行動するのがだんだん厳しいからということでもあります。確かにこの辺の塩梅は大体正しい気がしますね。

難病医療費助成

国指定の難病の人が受けられる助成です。通常の健康保険は3割負担ですが、2割負担になります。実はこの病気の場合そこまで医療費は大きくならないのですが、これを受けてることで自治体の助成も受けられるのでそちらの意味もあります。

自治体独自の助成

自治体ごとに色々なサービス等がありますが、自治体ごとに違うという意味でちょっとどうなのかなと思うこともあります。たとえば自分の住んでる渋谷区は月額15,500円、中野区は月額10,000円、23区内でもこれだけ違います。
その他有難いことに色々なサービスがるのですが自治体ごとにバラバラ、もう少し統一できないものなのかなという気もしますね。

障害年金

自分はフルで働けてるので、障害年金はもらえないです。実はよくわかってない部分も多いんですよね。ただここも悩むところで、どんどん病状が悪くなる老後を考えるとどこかで権利を獲得した方がいい気もしています。どこかで相談に行こうかと思っています。

これから

一番の問題はこれから。病気は進んでいくと確実に見えなくなっていくので、だんだんできることが少なくなっていくはず。ただ、そうなってみないと対応のしようがないので、今は今できることを楽しみたいって気持ちが強いです。お金は貯めておきたいけど、今しかできないことも多いのでそこが難しいんですよね。
悲観しても仕方ないので、死ぬまで生きるを座右の銘になんとか生きています。

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