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灼熱カバディは令和版スラムダンクであり、ビジネス書でもある

推しを紹介するたびに、「インフルエンサーだったなら…」と悶える僕ですが。

BLUEGIANTに並ぶ僕の推し漫画「灼熱カバディ」がクライマックスを迎え、
全話無料公開を行うということなので(アプリのマンガワンです。今すぐダウンロード)、
これを機に紹介していこうと思います。

………

「心技体」という言葉がある。

年代毎、発達段階毎に順番は入れ替わり、

例えば社会人なりたての頃は稚拙な技術を体力で補う
「体心技」だったし、

アラフォーに近づき、体力も心もすり減った今は、
小手先の技術で乗り切る
「技心体」だったりもする。

けれど、一番自分自身が伸びる状態はやっぱり
「心技体」なんだ。

そんなことをこの漫画は教えてくれます。


………

ストーリーは超王道。
元スポーツエリート高校生が未知の競技「カバディ」に出会い、
部活の仲間と共に全国制覇を目指す
というもの。

これだけ聞いたら何回擦られたテーマだよと思いますが、
ストーリーの説得力が違う。

スラムダンクをオマージュし、そしてスラムダンクにあった違和感や矛盾を
さらに洗練した内容になっています。

例えば。
1.スラムダンク初期にあった不良漫画ととんでもバスケ描写がない。
これについては天下のジャンプで前例のないバスケ漫画を扱った宿命でもありますが。
不良の喧嘩シーンや、ふんふんディフェンスなど、人気が安定するまでのテコ入れなどは、灼熱カバディには一切ありません。
同じマイナー競技(今やバスケは超メジャーだけど)を扱った題材だけれど、灼熱カバディは最初から最後までスポーツ漫画で勝負しています。
というか、本格路線勝負はスラムダンクの成功が切り拓いたのでは?やはりスラムダンクは偉大。

2.素人・桜木が何故あの短期間で成長できたのか。
基礎練習や2万本シュートなど、桜木花道の技術向上のための練習シーンは沢山あり、十分な説得力を持たせていますが、灼熱カバディではさらに踏み込んで「上達するための思考法」にまで言及しています。
強くなる人、上手くなる人の思考の在り方や感覚でやっている人が言語化することで得られる再現性や説得力など、仕事のマインドとして登場人物の思考に救われたことは数知れません(単純)。

3.捨てキャラがいない。
例えばスラムダンクでいう小暮先輩ポジションのキャラが躍動する回があるのは勿論のこと、シオや角田、石井、桑田に該当するメンバー全員にスポットライトが当たっている。
フィジカルが伸び悩み、前の競技を諦めた男や、
初めてスポーツに挑戦する素人、
主人公に憧れてカバディ部に入部する男など、
それぞれのキャラや実力に合わせた葛藤と成長が丁寧に盛り込まれている。

それは対戦相手となるキャラにも同様で。
その丁寧さゆえに初勝利までが遠く、
アニメ化はそれで失敗した感はあるけれど、まぁそれはそれ。

初心者には初心者の、
不器用には不器用の、
天才には天才の、
それぞれのキャラの思考の書き分けが秀逸なんだな。
なんなら、作者自身が転生物の主人公説ある。

4.大人の在り方。
スラムダンクの主人公サイドは割と個人の身体能力で何とかしがち描写が多めで、安西先生の立ち位置はメンタルサポート的な場面が目立ったけれど。
(故に大人になってから読み返すと田岡監督や堂本監督のやり手感が刺さる)。

灼熱カバディにおいては普段の練習サポートから試合面でも指導者の在り方や作戦の重要性を説いてくれている。

普段の準備、練習(質・量)・メンタルの重要性(ダニングクルーガーの成長曲線が出てくる漫画は灼熱カバディだけ!!)、
そしてそれを支える大人(親・指導者)の描写も◎。

桜木の怪我に相応する描写も、そこに親がいたらどうなるか…。
なんて所まで踏み込んでいたりします。

………

他にもまだまだ伝えたいポイントはありますが、

”4”という数字はこの作者を紹介する上で切っても切れないのでこの辺で締めます。


書いてて思ったけれど、総じて高校生の部活を扱っているのに少年漫画っぽくないんだよなぁ。
あのスラムダンクと比較しても全く遜色ないくらい面白いのに知名度いまいちなのはこれのせいなのか。。。

兎に角これから全話無料で読めるので、
漫画好きは梅雨の夜長に「灼熱カバディ」を是非手に取ってみてください!!


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