財閥当主がマネージャー 過去編2 〜これからの葛藤〜
騒動が一段落しちょうど3,4時間くらいが立った
その間僕たちはメンバー、バナナマン、スタッフたちを野放しにしてしまっていた
飛鳥:(終わったのかな)
設楽:(これ大丈夫なのか、、、)
あやめ:(こわい、、、)
真夏:(〇〇じゃないみたい)
この今までの一連の騒動を知っているのは政府や一部の人間そしてこのスタジオに居る人達のみ
まだ決して社会に公になっているわけではない
僕は八神と相談しここにいる人達の今日の仕事のキャンセルを八神財閥持ちで手配
八神財閥からの申請なら断れる会社はほぼゼロに等しい
さらに八神財閥が買収し上場している有名企業とコラボできる条件だ
こんなの断るほうがデメリットが大きいだろう
なぜ八神財閥からの申請なのかはあとで言い訳が必要だが、、、
そしてスタジオの火気申請を行いいつでも専属のシェフをよべるよう手配した
〇〇:(今までの時間飲まず食わずの拘束状態 本当に申し訳ない、、、)
これが今の僕のできるせめてもの気配りだった
僕は後ろでこちらを見つめるみんなの方をゆっくりと向き、そちら側に歩き出す
〇〇:(もうどんな顔をすればいいかすらわからない、、、)
しかしそんな中、不吉な音が廊下に鳴り響く
ドサッ ドサッ
カチャッ カチャッ
金属が重なる音、大勢の人がこちらに近づいているのを足音で悟った
どうやら八神も不吉のものを感じたようで僕らは同時に部下に戦闘態勢をとるよう指示した
〇〇、八神:全職員戦闘準備及び配置につけ!
僕らの指示がスタジオ内に鳴り響く
日村:(はあ?! 絶対ヤバいだろ)
和:(もう死んじゃうのかな、、、)
彩:(お母さん、、、)
真佑:(あんな 〇〇見たことない、、、)
メンバーからしたらこんな緊迫した雰囲気で指示する僕は初めて見ただろう
財閥当主としての僕はもはや別人だと自分でもわかっている
流石にメンバー、スタッフたちも身の危険を感じていることだろう
”今はこの人たちにどう思われていようと関係ない”
〇〇:皆さん!全員くっついてなるべく広がらないようにしてください!
僕はメンバー、スタッフ、バナナマンに指示し部下に壁となるよう言い渡した
これは僕の”命”にかえてでも守らなくてはならない存在だと
蓮加:梅 怖いよ、、、
梅:私だって怖いよ
久保:もう帰れないのかな、、、
飛鳥:大丈夫 だって〇〇だもん
〇〇:(飛鳥、、、)
こんな状況でも僕を信じていてくれることに感謝という言葉では表せないほどの感情がこみ上げる
そして僕は短い移動中、年齢の若い彩、和、咲月など6名ほどの未成年者の手をひき自分の後ろに来るよう誘導する
彩:(こわい、、、)
和:(もう なにがなんだか、、、)
僕はこの子達に
〇〇:大丈夫 絶対守るから
とだけ言葉をかけた
無責任なことくらいわかってる その言葉を受けてこの子達の気持ちに変化があるかもわからない
ただこれが今の僕の限界だった
そこには完全に怯えきったメンバーの姿があり申し訳無さで押しつぶされそうだった
もう僕に今までどうり好意など寄せてくれないだろう
頭の中で今までの思い出がフラッシュバックする
それでも足音は待たずに大きさを増してくる
僕は飛鳥から貰った指輪を左手の薬指に付け変える そして飛鳥から貰った指輪、さくらから貰ったネックレスにキスをした
飛鳥、さくら:(あっ!!)
どうしてかは分からないただ体が頭より先に動いていたのだ
これが僕を守ってくれる そう思ったのかもしれない
僕はついに本部設置時に念の為部下から受け取っていたハンドガンをズボンの後ろから抜き、構えた
そして足音は目と鼻の先 ついに全身黒に身を包んだ武装集団が銃口をこちらに向けスタジオに侵入してきた
こんなの若い女の子がトラウマにならないはずがない
改めて自分の不甲斐なさで押しつぶされそうになる
”でも今は守るしかない 命をかけて”
僕は身を固めた
すると武装集団の中から覆面をつけた背広の男が一人現れた
彼は丸腰のようだが武装集団も彼も素人ではないことは明白だった
しかしその点においてはこちらも同じ 職員全員がトップクラスの戦闘技術を誇っている
ただ守るものがあるかないか それだけだった
八神が第一声を発する
八神:what do you want?
すると彼も口を開き
男:「青羽 〇〇」
僕の名前だった
ここにいる全員の意識が僕に突き刺さるのを感じた
八神:why?
八神が問いかける
この状況で僕が声を発する危険性を考慮してくれているのだろう
しかし彼からの返答はなく男は僕の方へ歩み寄ってくる
〇〇:stop there!
僕は声を荒げ彼を静止させた かつてないほどの緊迫感だ
〇〇:Kneel down with your hands in the air! Or we will not negotiate.
(両手を上げてひざまずけ!さもなくば交渉はしない)
さらに声を荒げる
相手の立ち振る舞いはプロ いくら自分に実力があるからといい手を抜ける相手ではない
男はやけに従順だった 僕の要求のままその場で手を上げひざまずいたのだ
こちら側の銃口は背広の男と武装集団に向いている
すると八神が
八神:Tell your people to put their guns down!
(味方に銃をおろすよう指示しろ!)
たたみかけるように言葉を発する
その沈黙はとても長く感じた
実際には十数秒なのだろうがもはや永遠にすら思え、命の鼓動を感じた
次回 過去3 大切なもの
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