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財閥当主がマネージャー  大丈夫

スタジオの中は、活気に満ちていた

メンバーたちは次のライブに向けて熱心にリハーサルを続けている

蓮加も集中してダンスの振り付けを確認していた

先生:皆さん 少しだけ休憩をとりましょう

メンバーたちは一息つくためにそれぞれの場所に戻る中、蓮加の顔には明らかな緊張と焦りが見えた

彼女はここ数日、小さなミスが続いており それが心に重くのしかかっていないか僕は気がかりだった

蓮加:また間違えた...もう嫌だ

蓮加の独り言が日を重ねるごとに重みを増していく

そしてついに三期でのリハ中こらえきれず泣き出してしまった

   (もっと早くからなにかしてあげるべきだった、、、)

泣き出す蓮加に周りが気づき声をかけるがメンバーの 

  大丈夫?   大丈夫だよ

そんな悪気のない言葉が今は蓮加の心を刺している

蓮加:(全然大丈夫じゃないよ、、、)

僕は蓮加に近づいた

〇〇:蓮加?ちょっと外に出ようか

蓮加はうつむきながらスタジオの外へ出た

〇〇:(まずは落ち着いてもらうか、、、)

スタジオ外の椅子に座り僕はただ蓮加をさすってあげる

蓮加の不規則な息遣いがしんとした廊下に響き渡る、、、

少し落ち着いた頃 蓮加の方から口を開いた

蓮加:私大丈夫じゃないよ、、、

〇〇:僕は大丈夫なんて思ってないよ

蓮加:え?

〇〇:嫌だったんでしょ? 大丈夫 って言われるの

蓮加は少しうつむきうなずいた

蓮加:なんで分かるの?

〇〇:無責任だから

蓮加:えっ、、、

蓮加は少し驚いたようだ 多分 僕がこんな事言うとは思ってもみなかったのだろう

〇〇:大丈夫って確かに労いの言葉だけど 人を追い込んでしまう言葉でもあると思う みんなが労いの言葉だと思っているからこそたちが悪いのかもね

蓮加:(私のことわかってくれるかな、、、)

蓮加:毎日頑張ってるつもりなのに、ミスばかりで...もうどうしたらいいのか分からない

僕は優しく蓮加に手を重ねた

〇〇:誰にだってミスはあるよ

蓮加:でも、みんなの足を引っ張ってる気がして...

〇〇:蓮加はとても頑張っているし、メンバー全員がそれを知ってる 
   僕も蓮加のダンスは人を魅了する力があると思う
   
蓮加は少しずつ涙を拭きながら、僕の言葉に耳を傾けてくれた

蓮加:本当にそう思う?

〇〇:もちろん 蓮加がいるから、みんながもっと頑張ろうと思えるんだ


成功は平凡な日常では生まれない
ミス、失敗、壁にぶつかってこそ得られるものなんだよ


蓮加は深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた

蓮加:ありがと もう一度頑張ってみる

〇〇:よし それじゃあ戻ろっか

蓮加:うん!

そんな彼女はとても輝いていた

そうして二人はスタジオに戻った

蓮加:皆、ありがとう もう一度やってみるね

メンバーたちは蓮加を応援し、リハーサルは順調に進んでいった

蓮加はミスを恐れず、一生懸命に踊り続け、次第に自信を取り戻していった

〇〇:(よかったよ 蓮加)

蓮加:(ありがとう、〇〇 これからも頑張るよ)



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